まもなく球春到来。無観客でのキャンプインが2月1日に迫る中、12球団の担当記者が各チームの戦力を紹介します。今回はセ・リーグ6球団。
巨人 野手と投手の選手層厚さは屈指
リーグ2連覇を達成したが、日本シリーズでは2年連続でソフトバンクに4連敗で屈した。日本一奪回に向け、MLB通算196本塁打のスモーク、同96本塁打のテームズと強打の助っ人砲を獲得。FAで梶谷も加入し、坂本、丸、岡本を含めた超重量打線が完成した。昨季、飛躍した松原、ベテランの中島、亀井ら層の厚さは屈指と言える。
先発ローテは今季もエースの菅野が軸となる。FA加入の井納、サンチェス、メルセデスの外国人投手、昨季9勝の戸郷も期待が高く、日本シリーズに先発した今村、畠らの一本立ちも待たれる。田口、高橋、桜井らの復活、直江、横川、井上、太田、新人の平内など若手の台頭も期待。リリーフは中川、デラロサを軸に、高梨、大江ら多彩な投手が控える。
【予想スタメン】
1番右翼 梶谷
2番遊撃 坂本勇
3番中堅 丸
4番三塁 岡本
5番一塁 スモーク
6番左翼 テームズ
7番捕手 大城
8番二塁 吉川
【主力投手陣】
◆先発 菅野、戸郷、サンチェス、井納
◆中継ぎ・抑え 中川、デラロサ、高梨、鍵谷
阪神 リーグ屈指投手陣が最大の強み
矢野監督の集大成となる3年目だ。3位、2位ときて、残すは優勝しかない。最大の強みはリーグ屈指の投手陣。先発はエース西勇に、秋山、青柳、高橋、さらに新外国人チェン、アルカンタラが加わる。6年ぶり2桁勝利を狙う藤浪も復活の気配が漂う。ブルペンには絶対的な守護神スアレスが君臨。岩崎、岩貞、エドワーズと役者もそろう。
攻撃面では韓国MVPのロハスが加入。課題の3番を埋める男として期待がかかる。昨季、本塁打王を争った大山、盗塁王の近本が打線の軸になる。矢野監督が4球団競合の末に引き当てた佐藤輝も即戦力として期待大だ。現役引退した藤川に、福留、能見ら実績あるベテランが退団。新たなチームに生まれ変わりつつある。
【予想スタメン】
1番中堅 近本
2番二塁 糸原
3番左翼 ロハス
4番三塁 大山
5番一塁 サンズ
6番右翼 佐藤輝(糸井)
7番捕手 梅野
8番遊撃 木浪
【主力投手陣】
◆先発 西勇、秋山、青柳、高橋
◆中継ぎ・抑え 岩貞、岩崎、エドワーズ、スアレス
中日 充実投手陣に捕手争いがプラス
昨季8年ぶりAクラス入りを果たし、今季は10年ぶりのリーグ制覇を視野に入れる。投手陣の拡充が著しい。先発ローテーションはエース大野雄を筆頭に、福谷、柳、松葉、勝野、ロドリゲスらと充実。梅津、小笠原、岡野、山本、清水らが控える。
リリーフ陣も昨季中盤から定着した福、祖父江、守護神R・マルティネスの勝利の方程式に、又吉、谷元、木下雄らの仕上がり次第で第2方程式も組める可能性も十分だ。
正捕手争いも1番手・木下拓に、加藤、郡司、桂、A・マルティネスらと戦国模様が強化にプラスに働く。リーグ最少の429得点、同70本塁打と得点力不足に悩む打線は、新外国ガーバーの打力に期待するが、機動力強化でカバー。大島、京田らの足を使ったスモールベースボールを強化して、強力な投手力を背景に1点を重視する野球で球団創設85周年を優勝奪回で飾る。
【予想スタメン】
1番中堅 大島
2番遊撃 京田
3番左翼 ガーバー
4番一塁 ビシエド
5番三塁 高橋
6番二塁 阿部
7番右翼 平田
8番捕手 木下拓
【主力投手陣】
◆先発 大野雄、福谷、柳、梅津
◆救援・抑え 谷元、福、祖父江、R・マルティネス
DeNA 今永&山崎復活が優勝争い鍵
5年続いたラミレス体制から「ハマの番長」こと三浦監督が就任した。不動の1番だった梶谷、昨季6勝の井納がFAで巨人に移籍。ロペス、パットンも退団となり、投打の主力クラスが抜けた。
梶谷に代わる1番中堅は、一昨年に務めていた神里が有力だ。外野は2軍で本塁打、打点、出塁率のタイトルを獲得した細川の台頭も待たれる。ロペスが抜けた一塁は、二塁や外野も守っていたソトになりそう。二遊間はベテラン大和、柴田に加え、ドラフト2位の牧や実績ある倉本、人的補償の田中俊らで争う。
投手は故障に泣いた東、今永らと昨季不調だった山崎の復活が鍵を握る。ドラフト1位入江、新外国人ロメロと新加入選手にも期待がかかる。打力があるだけに、投手力次第で優勝争いの可能性は十分だ。
【予想スタメン】
1番中堅 神里
2番遊撃 柴田
3番右翼 オースティン
4番左翼 佐野
5番一塁 ソト
6番三塁 宮崎
7番二塁 大和
8番捕手 戸柱
【主力投手陣】
◆先発 大貫、平良、上茶谷、浜口
◆救援・抑え 石田、エスコバー、国吉、三嶋
広島 上位へ投手陣再建&方程式確立
2年連続Bクラスから上位浮上を狙う、投手陣再建が上位進出の鍵。昨年は勝ちパターン確立が遅れたことが低迷の一因となった。フランスアを中心に、昨季経験を積んだ塹江やケムナら若手、新外国人バードや育成選手ながら早期の支配下選手登録も期待できる逸材コルニエルらで開幕前には勝利の方程式を確立させたい。
安定した戦いには、主力の復帰や復調も欠かせない。手術明けの大瀬良や野村、西川は開幕に間に合う見通し。3連覇を支えた田中広や菊池涼、中崎ら実績ある選手が復調し、若手とうまくかみ合えば優勝争いにも食い込める。広島野球を熟知する河田新ヘッドの復帰で、伝統の機動力野球復活と佐々岡監督が掲げる一丸野球を実現させる。
【予想スタメン】
1番遊撃 田中広
2番二塁 菊池涼
3番左翼 西川
4番右翼 鈴木誠
5番一塁 クロン
6番捕手 会沢
7番三塁 堂林
8番中堅 野間
【主力投手陣】
◆先発 大瀬良、森下、九里、ネバラスカス
◆中継ぎ・抑え 塹江、ケムナ、バード、フランスア
ヤクルト 若手先発の底上げがカギ
高津監督体制の2年目、2年連続最下位からの脱出が課題になる。昨季、国内FA権を取得した投打の要である山田、石山、小川がそろって長期契約で残留したことが、最大の補強。山田は志願して主将にも就任し、自らの打撃でチームを引っ張り、4年ぶりのトリプルスリー達成も狙う。助っ人はメジャー通算77発の大物サンタナ、中距離砲のオスナを獲得した。
外国人野手2人体制は4年ぶりで、球団の今季にかける本気度が伝わってくる。ソフトバンク戦力外の内川も獲得し、充実の打撃陣で臨む。
課題の先発投手は、2年目奥川や大卒の新戦力である木沢、山野に期待。先発に転向する寺島や、ケガから復活した金久保ら若手の底上げがチーム浮上の鍵になる。
【予想スタメン】
1番中堅 塩見
2番二塁 山田
3番左翼 青木
4番一塁 村上
5番右翼 サンタナ
6番三塁 オスナ
7番遊撃 西浦
8番捕手 中村
【主力投手陣】
◆先発 小川、石川、奥川、木沢
◆中継ぎ・抑え 長谷川、梅野、清水、石山