まもなく球春到来。無観客でのキャンプインが2月1日に迫る中、12球団の担当記者が各チームの戦力を紹介します。今回はパ・リーグ6球団。
ソフトバンク 投打ともに選手層厚い
リーグ連覇と5年連続日本一がかかるシーズンだが、戦力的には投打ともに選手層が厚く優勝候補の筆頭だろう。千賀、石川に次ぐ先発陣の再整備や、モイネロと守護神森につなぐ救援陣の整備はあるが、若手とベテランの競争原理で強固になることは間違いない。
野手でもレギュラーは甲斐、柳田、グラシアルくらいで、シーズン中でも激しいポジション争いが予想される。ベテラン松田はもちろん、栗原、周東、中村晃、上林が内外野で刺激し合って勝利に貢献していくだろう。
今季から前侍ジャパン監督の小久保ヘッドが加入。野手を中心に戦力アップが期待される。投打にわたり、今年も王者の戦いには隙がなさそうだ。
【予想スタメン】
1番二塁 周東
2番一塁 中村晃
3番中堅 柳田
4番左翼 グラシアル
5番右翼 栗原
6番DH デスパイネ
7番遊撃 今宮
8番三塁 松田
9番捕手 甲斐
【主力投手陣】
◆先発 千賀、石川、和田、高橋礼
◆中継ぎ・抑え 嘉弥真、岩崎、モイネロ、森
ロッテ 新外国人加入で内野陣底上げ
「優勝争いに加わるのが当たり前」のチームに進化するために、新外国人エチェバリアの加入は大きい。メジャーでもならした高い技術で、内野はどこでも守れる。井口監督は「遊撃がメイン」と構想するも、どのポジションをつかむかで流れも変わる。強力ライバルの出現で井上、中村奨、安田、藤岡の内野陣が一気に底上げされれば、中長期的観点でベターともいえる。
投手陣は、吉井コーチらの登板管理でパフォーマンスを発揮しやすい環境にある。とはいえ異例のシーズンを経て、今季は未知数な部分も。ルーキー鈴木や古谷、東妻に台頭の期待がかかる。もちろん佐々木朗もその1人。故障者が出なければ、今年も王者ソフトバンクとやり合える力はある。
【予想スタメン】
1番 中堅 藤原
2番 左翼 荻野
3番 右翼 マーティン
4番 三塁 安田
5番 DH レアード
6番 遊撃 エチェバリア
7番 一塁 井上
8番 二塁 中村奨
9番 捕手 田村
【主力投手陣】
◆先発 美馬、石川、二木、小島
◆中継ぎ・抑え 唐川、ハーマン、小野、益田
西武 V奪還へ山賊打線の復活は絶対
2年ぶりのリーグV奪還には、山賊打線の復活が絶対条件になる。19年首位打者の森、本塁打王の山川、打点王の中村らタイトル保持者が、昨季はそれぞれ不振やケガに見舞われ、本来の力を出し切れなかった。それでもシーズン終盤は2位争いを演じることができたのは、大きな収穫。辻監督は選手1人1人が殻を破り、一回り成長することをテーマにし、スローガンは「BREAK IT」を掲げる。
1発攻勢だけでなく、攻撃の幅を広げ僅差勝負をモノにする。ドラフトで獲得した1位・渡部を筆頭に、即戦力野手にも期待は大きい。同時に、改善傾向にある投手力の底上げができれば、ソフトバンクとの覇権争いにも十分に勝算は出てくる。
【予想スタメン】
1番中堅 金子
2番遊撃 源田
3番捕手 森
4番一塁 山川
5番二塁 外崎
6番DH 栗山
7番三塁 中村
8番左翼 スパンジェンバーグ
9番右翼 木村
【主力投手陣】
◆先発 高橋、松本、ニール、今井
◆中継ぎ・抑え ギャレット、森脇、平良、増田
楽天 「4本柱」に早川&救援陣厚み
先発陣には通算計538勝の「4本柱」がそびえ立つ。筆頭はヤンキースから8年ぶりに復帰した田中将。通算177勝右腕が24連勝を達成した13年同様の輝きを放てるか。同144勝の涌井、132勝の岸、85勝の則本昂と球界屈指の右腕に加え、最速155キロ左腕のドラフト1位早川にも注目だ。
新指揮官の石井GM兼任新監督は「後ろの投手から構築していくのがセオリー」と話す。昨季先発に挑戦した松井を守護神へ戻し、メジャーで実績のある新外国人左腕のコンリーも加入。救援陣は厚みが増した。
攻撃面では「浅村頼み」脱却がカギ。辰己、田中和、小郷ら若手の台頭、新外国人のディクソン、カスティーヨの働きも順位を左右する。
【予想スタメン】
1番遊撃 小深田
2番DH カスティーヨ
3番三塁 茂木
4番二塁 浅村
5番左翼 島内
6番右翼 ディクソン
7番一塁 鈴木大
8番中堅 辰己
9番捕手 太田
【主力投手陣】
◆先発 田中将、涌井、岸、則本昂
◆中継ぎ・抑え ブセニッツ、コンリー、牧田、松井
日本ハム 投手陣は全体の再構築必須
2年連続5位からの巻き返しへ、鍵を握るのはディフェンス面だ。投手陣は全体の再構築が必須。エース有原が抜けた先発陣は上沢とバーヘイゲンを軸にリニューアルを図り、中継ぎ陣も宮西に次ぐセットアッパーの選定が必要。守護神の固定化も急務で、適材適所を見極めながら新たな形を模索することになりそうだ。
守備面ではセンターラインの強化が課題で、三塁手の台頭も求められる。昨季のチーム失策数(75個)はリーグワーストで北海道移転以降に築いた守り勝つ野球ができなかった。メジャー移籍がかなわなかった西川を含め、攻撃陣は役者がそろう。原点回帰の野球が展開できれば、3年ぶりのAクラス、さらにその上も見えてくる。
【予想スタメン】
1番中堅 西川
2番遊撃 平沼
3番左翼 近藤
4番一塁 中田
5番右翼 大田
6番二塁 渡辺
7番三塁 野村
8番DH 清宮
9番捕手 宇佐見
【主力投手陣】
◆先発 上沢、バーヘイゲン、杉浦、金子
◆中継ぎ・抑え 宮西、玉井、堀、伊藤
オリックス 得点力向上テーマに補強
2年連続の最下位に沈んだオリックスは、中嶋新体制で96年以来25年ぶりのリーグ優勝を狙う。昨季はリーグ最少となった得点力向上をテーマに補強に着手。17年から3シーズン在籍したロメロを楽天から獲得するなど、ポイントゲッターの重要性を意識した。メジャー通算282発を誇るジョーンズも来日2年目を迎え、本領発揮といきたいところだ。
投手陣では、阪神を退団した能見を投手兼任コーチとして獲得。貴重な救援左腕を補強したのと同時に、豊富な経験をチームにもたらす。ドラフト1位の山下は素材型ではあるが、今季中の1軍登板も十分にある。昨季、高卒新人トップでプロ初勝利をマークした宮城に続きたいところだ。
【予想スタメン】
1番三塁 福田
2番右翼 吉田正
3番中堅 ロメロ
4番DH ジョーンズ
5番一塁 モヤ
6番捕手 伏見
7番左翼 T-岡田
8番二塁 太田
9番遊撃 安達
【主力投手陣】
◆先発 山本、山岡、田嶋、ディクソン
◆中継ぎ・抑え ヒギンス、山田、富山、漆原