今季の春季キャンプは、新型コロナ感染拡大防止のため、プロ野球史上初の無観客で始まる。12球団はそれぞれ予防策を徹底し、キャンプインを迎えた。

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<巨人>

1軍キャンプメイン球場のサンマリン宮崎には、例年のように飲食スペース、販売ブースはなく、選手の顔がプリントされた旗も立っていない。ファンが集まるイベントスペースには「無観客のため、見学はできません」と注意喚起する看板が設置されている。宮崎空港到着直後に行われる歓迎セレモニーも中止。これまではチーム宿舎に設けられていたメディア用ブースはなく、宿舎取材は禁止となった。コロナ禍でのファンサービスとして、6、7日には、ファンクラブのキッズ会員を対象としたオンラインサイン会を実施。パソコンなどを通して会話をしながらサインした色紙を後日、郵送する。

 

<阪神>

例年は那覇空港でキャンプ地の宜野座村長らが法被姿で出迎え、花束を渡すセレモニーが行われるが、今年は中止になった。すでにほとんどの選手が現地に先乗りしているため、1月31日のチーム便に搭乗した選手はわずか。同乗した藤原崇起オーナー兼球団社長(68)らも、静かに車に乗り込んだ。宿舎でのセレモニーも行われなかった。

 

<中日>

キャンプイン前日1月31日の沖縄合同自主トレは1、2軍とも予定通り行われた。夕方からは北谷町の1軍宿舎で感染予防対策を実施した上で例年通りのミーティングを実施。キャンプは無観客開催のため、昨年まで2年連続売り上げ1億円超の特設公式グッズ売り場は設置されない。これまで現地販売のみだった沖縄限定のレプリカユニホームなどは、球団公式サイトで販売される。

 

<DeNA>

1月31日の沖縄入り時に空港での歓迎セレモニーは行われなかった。全体ミーティングも選手と監督、コーチに限定。通常なら加わるスタッフは、リモートでの参加となった。キャンプでは選手同士の距離にも気を配り、練習に時間差をつける予定。三浦監督は「一番大きいのは無観客。雰囲気が違う。カメラの向こうでたくさんのファンが見ていると思って1カ月頑張ってほしい」と話した。

 

<広島>

静かな沖縄入りとなった。例年1軍は宮崎・日南で前半のキャンプを行うが、今回はコロナ禍での移動リスクを減らすため、1カ月間沖縄に滞在する。那覇空港でのセレモニーは行われず、到着出口で待ち受けたファンも静かに見届けた。ナインは距離を取りながら、個々に分かれてバスへ乗り込み、宿舎へと向かった。

 

<ヤクルト>

宿舎の食事会場の座席をアクリル板で区切るなど、3密対策を徹底する。外食は禁止。休日も日用品の買い物など、理由があれば外出は許可するが、報告義務を設けた。宿舎から球場までの移動はバスを使用。例年は練習終了後にタクシーを使うこともあったが、今年はマイクロバスをピストン輸送し、まとまって宿舎に戻る。