今年も初弾男健在。広島正随優弥外野手(24)が3日、フリー打撃で先発ローテーション入りを狙う左腕高橋昂から2本の柵越えを放った。昨春も、初めて投手がフリー打撃に登板したキャンプ2日目に2発。オフに日本ハム中田のもとで磨きをかけた長打力で2年続けてチーム1号、2号を披露し、持ち味をアピールした。

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長距離砲が描く放物線と飛距離だった。正随が高橋昂の8球目を捉えた打球は左中間最深部の柵を越え、芝生の上で大きく弾んだ。さらに23球目はセンターバックスクリーンへ。先発入りを狙う左腕から、23スイングで2本の柵越えを含む安打性6本。「センターに関しては打ち損じたかなと思っていたが、打ち損じた打球が入ってくれたら可能性はもっと広がると思う」。持ち前のパワーを見せつけ、にやりと笑った。

昨年はキャンプ2日目にチーム1号、2号を記録した。今年は1日遅れのチーム1号、2号。2年連続の初弾&2号だ。「いい形で捉えられたので、飛んだのかな。そこ(長打力)をなくしてしまったら取りえがなくなる」。激しい外野手争いの中、武器である長打力を磨いていくしかない。

昨季終盤、打撃フォームを改造した。下半身の力をしっかりとバットに伝えるため、上体をベース側に倒し、尻を突き出したクラウチングスタイルのようなフォームにたどり着いた。オフは日本ハム中田から、バットをムチのようにしならせるスイングを徹底的に指導された。

昨年はプロ初安打が初本塁打も、1軍に定着できず。外野には鈴木誠や西川のほか、長野、松山、野間、大盛とタイプが異なるライバルがひしめく。「確率を求めながら、長打を出したい。まずは自分の技術につながる練習、打席にしたい。そうなると、おのずと結果につながる。結果を求めながら技術向上につなげたい」。長打力を武器に、外野手争いに挑む。【前原淳】