日本野球機構(NPB)とJリーグは8日、新型コロナウイルス対策連絡会議を開き、外国人の入国措置について政府に緩和を要望する方針を示した。2大プロスポーツの開幕が迫る中で、多数の外国人選手が来日できておらず、戦力構想に狂いが生じている。10都道府県で緊急事態宣言が3月7日まで延長され、外国人の新規入国は停止。一方で現状の入国後の14日間の隔離期間は専門家も長すぎるとの見解が示され、1週間~10日間への短縮を求めていく。

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戦力の中核をなす外国人選手を1日でも早く合流させるために、政府に訴える。楽天石井GM兼監督、巨人原監督ら現場から戦力の不均衡から何らかの対策を求める声が噴出していた。NPB斉藤コミッショナーは「チーム構成ができない。現場で苦しんでいる。入国もずれ、入国しても14日間の待機期間が決められている。(専門家から)意見を承り、過去のデータをもとに(提言を)聞いた。1週間から10日間でPCR検査をしっかり受けることでどうだろうという案も出た」と説明した。

2週間の隔離はコロナ禍初期からの対応策。だが現状は科学的にも乖離(かいり)が生まれていると、専門家は分析している。メンバーの愛知医科大・三鴨教授は「医療現場では、患者さんは72時間症状なして10日たてば検査なしで退院できる。一方で濃厚接触者は14日間待機。かなり矛盾を感じながらやっている」と話し、最低でも10日後の検査で陰性なら合流は可能と示した。さらに選手のコンディション維持を考慮し、7日間に短縮できるデータ収集も模索する。

10都道府県で3月7日まで緊急事態宣言が延長され、宣言期間中の新規入国が停止となっている政府方針には準じる。斉藤コミッショナーは「緊急宣言が発出されていて、ビジネストラックも100%近く止まっている。(プロスポーツの)特別扱いは難しい」と受け止めた。コロナ禍で自粛を強いられる国民感情は理解している。一方で新たなデータを提供し、感染拡大を招かない緩和は五輪、パラリンピックの開催実現にもつながるとの思いもある。