広島のドラフト3位の大道温貴投手(22=八戸学院大)が8日、甲子園での登板を心待ちにした。9日からの阪神2連戦の遠征に同行し、1イニングを投げる見込み。埼玉・春日部共栄の高校3年間で1度も立てなかった聖地のマウンド。大学日本代表選考合宿で対戦経験のある阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)との注目の対決を制し、守護神の座をアピールする。

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初めての甲子園登板を前に、大道が心を躍らせた。春日部共栄の3年間で、春夏通じて1度も足を踏み入れられなかった聖地のマウンド。プロ野球選手として、念願の舞台に立つ。

「行きたくても行けない球場。本来なら、高校の甲子園で出たかった球場なので、プロ野球選手として(投げられるのは)すごくうれしいです」

憧れの甲子園を目指し、青春時代は野球に全力を注いできた。夏の聖地行きをかけた高校3年の埼玉大会は、エースとしてチームをベスト4まで導いた。準決勝では花咲徳栄と対戦。現在ではチームメートの高橋昂と投げ合い、0-5の完封負けを喫した。あと1歩のところでたどり着けなかった舞台に上がるチャンスを、自らの手でたぐり寄せた。

阪神で対戦したい打者については「全員です」と気合をにじませた。中でも「意識しますね」というのはドラフト1位佐藤輝との対戦。大学3年の19年冬に愛媛・松山の坊っちゃんスタジアムで実施された大学日本代表選考合宿中の練習試合で対戦した経験がある。その時は内角のスライダーで三振に抑えたという。「とりあえず思いっきり腕を振っていきたい」と、真っ向勝負を挑む覚悟だ。

ここまでほとんど直球勝負で、実戦5試合連続の1回無安打無失点を継続中だ。7日ヤクルト戦では初めての有観客試合での登板で力み、1四球を与えてしまった。右腕は「次はもっと楽に投げられると思う。ストレートをバンバン投げていきたいと思います」と闘志を燃やした。夢にまで見た球場で快投し、守護神取りへアピールを続ける。【古財稜明】

◆大道温貴(おおみち・はるき)1999年1月20日生まれ、埼玉県出身。父親の仕事の関係で移住したシンガポールで小学2年から野球を始め、埼玉・八幡木中では軟式野球部に所属。春日部共栄ではエースとして3年夏の埼玉大会でベスト4。甲子園出場経験はなし。八戸学院大では1年春からベンチ入りし、北東北大学リーグ通算22勝。端正な顔立ちから「快速王子」の異名を持つ。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。

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