これぞタテジマ魂や! 阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22=近大)がいきなり決勝のG倒アーチを描いた。4回に左翼ポール際への打球はファウル判定となったが、リクエストで覆った。オープン戦トップの4号ソロ。新人では球団史上最多で89年中日大豊以来32年ぶり。矢野燿大監督(52)が開幕スタメンを明言すれば、昨秋ドラフトでクジを外した巨人原辰徳監督(62)は「ほしかった」と悔しがった。ドラフト制後初となるオープン戦の新人本塁打王も見えてきた。

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この男にG倒を託したい-。初めて経験する伝統の一戦で、佐藤輝が本領を発揮した。4回。巨人の左腕高橋の143キロ直球をとらえた。左翼ポール際への打球は、無人のアルプス席に飛び込む。ファウルの判定に、矢野監督は即座にリクエストを要求。3分後に判定は覆り、丹波審判員が右手をグルグルと回した。「プロ野球はリクエストがあって助かりました。初めてだったので、ちょっとビックリしました」。戸惑いまじりの4号ソロは、宿敵を撃破する決勝アーチとなった。

オープン戦の4本塁打は、新人では球団最多で、89年中日大豊以来32年ぶり。4発すべてセンターから左の逆方向だ。うち3本は屋外で広い甲子園のもの。好調の要因を問われると「練習ですね。練習しています」とキッパリ。キャンプから振り込み、筋力トレーニングを続けたことで、自分の考えるスイングでボールにパワーをしっかりと伝えられている。オープン戦8試合で打率3割7分、6打点の数字にも「まあ『やるぞ!』という自信はあったので、特別ビックリはしていない」と堂々と答えた。

13日時点で、オープン戦の対左腕は7打数無安打だった。先発高橋を攻略し、7回にも戸根から右前打を放ち、左投手からマルチ安打を記録。「左腕から全然打てていなかったのでよかった」と一安心。開幕前に苦手意識を取り除けたことは大きい。

今季初の巨人戦で勝利を決める1発を放った。昨年はリーグ2位だが、8勝16敗と大きく負け越した相手。佐藤輝は「セ・リーグで優勝するためには絶対に倒さないといけない相手なので、シーズンに入っても打てるように頑張ります」と、頼もしくG倒宣言した。これでオープン戦本塁打は12球団単独トップ。新人本塁打キングも見えてきた。【石橋隆雄】

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