日本ハムのドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が本拠地開幕カードの第2戦、31日西武戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発することが決まった。18日、栗山英樹監督(59)がオープン戦での結果を踏まえて本人に通達したことを明かした。04年の北海道移転以降、ドラフト1位投手が本拠地開幕カードで先発デビューするのは初めて。北海道・鹿部町出身の期待のルーキーが北の大地に新たな夢を与える。

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伊藤が開幕ローテーション入りを勝ち取った。デビュー戦は31日西武戦に決定。この日、栗山監督は伊藤のプロ初登板初先発日について「札幌ドーム第2戦。順番的には(開幕戦から)5戦目、水曜日、3月31日と本人に伝えた」と16日までに通達したことを明かした。指揮官から「行くよ」と言われた伊藤は「はい!」とだけ答えたという。その瞬間の伊藤の表情について栗山監督は「オレにとってはちょっと意外な表情だった。やっぱ本当にこいつ熱いなぁって感じだったよ」と振り返った。

球団史上初の北海道出身選手の1位指名に続き、また球団の歴史に新たなページを刻む。本拠地開幕カードでドラフト1位投手がプロ初登板初先発するのは、北海道移転後では初めて。栗山監督は「神様が彼に与えた使命なんだな」と必然の結果として受け止めた。

鹿部町で生まれ育ち、日本ハムファンとなって、高校や大学では苫小牧で腕を磨いて憧れの地元球団にドラフト1位で入団した。そんな生粋の道産子右腕に指揮官が求める姿は、伊藤にしか体現できないものだ。

栗山監督 これから北海道の子どもたちのために、大きな夢の対象になってほしい。自分が夢を持ったように、これからはヒロミ自身が夢を与える番。そういう姿を見せてほしい。

開幕投手の上沢に次ぐ公表となったのも、伊藤が完璧な結果を残したからだ。14日広島戦(マツダ)で7回無失点。栗山監督は「競争だと打ち出して、結果を出したのは誰ですかっていうと7回0封したヒロミ。きちんと、その場所(開幕ローテ)を与えてあげるべきだと思った」と原理原則に従い、新人であることも考慮して調整にゆとりを持たせ、雨天中止もない屋内球場である本拠地でのデビュー戦を選んだ。

伊藤の初陣となる開幕5戦目は本拠地では2戦目。野手陣も緊張感がほぐれる頃であり、翌日は試合がない。「3・31」は伊藤のために全員が尽くせる日だ。「北海道で生まれ育って、そこで投げられることを誇りに思って堂々と投げてほしい」と栗山監督も自信を持って送り出す。【木下大輔】

<日本ハムの主なドラフト1位投手のデビュー登板>

◆ダルビッシュ有 高卒1年目の05年6月15日広島戦(札幌ドーム)で、チーム67試合目。先発して9回途中2失点で初登板初勝利だった。

◆八木智哉(希望枠入団) 大卒1年目の06年3月31日オリックス戦(スカイマーク)で、チーム6試合目。先発で6回途中無失点に抑え、初勝利をマークした。

◆斎藤佑樹 大卒1年目の11年4月17日ロッテ戦(札幌ドーム)で、チーム5試合目。先発で5回4失点で初白星を挙げた。

◆大谷翔平 高卒1年目の13年5月23日ヤクルト戦(札幌ドーム)で、チーム44試合目。野手では開幕戦に出場していたが、投手として初登板初先発し、5回2失点で勝敗付かず。

◆有原航平 大卒1年目の15年5月15日オリックス戦(札幌ドーム)で、チーム38試合目。先発して6回2失点で勝ち投手に。

◆吉田輝星 高卒1年目の19年6月12日広島戦(札幌ドーム)で、チーム62試合目。先発して5回1失点で白星デビュー。

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