左ひじ手術を経て、広島高橋昂也投手(22)が966日ぶりに1軍マウンドに上がる。登板前日には「うれしいです」と復帰にたどり着いた喜びをかみしめつつ「気負わずにできることをやっていきたいと思う。いつも通り、自分の投球ができればと思います」と表情を引き締めた。18年の手術前最後の登板となった中日を相手に、3年ぶりに先発復帰する。

花咲徳栄時代には作新学院今井(西武)や横浜藤平(楽天)、履正社寺島(ヤクルト)とともに「高校BIG4」と呼ばれた。16年ドラフト2位で広島に入団し、2年目の18年に開幕ローテーション入り。6月28日巨人戦ではプロ初勝利も手にした。だが、19年2月にトミー・ジョン手術。長期離脱を余儀なくされた。

長いリハビリを経て、昨年8月に実戦復帰。今年の1軍春季キャンプ序盤に打球を左腕に当てて離脱するアクシデントに見舞われながら、開幕から2軍のローテーションを守り、12日から1軍合流となった。当初は15日阪神戦での先発を見込んでいたが、13日阪神戦が降雨中止となったことで登板日がずれた。「チームのコンディショニングが変わったくらいで、自分の中の調整はそこまで変えていない。気持ちも変わらないし、あんまり難しさとかはないですね」。逆算したように3回で降板した10日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦から中7日空いても、関係ない。

ともに「高校BIG4」と呼ばれた西武今井は、ローテーション投手として今季すでに1勝を挙げている。また、ともに甲子園を沸かせた楽天早川(木更津総合-早大)も、新人ながら1勝を手にしている。ケガによるブランクを乗り越え、高橋昂も1軍マウンドに上がる。「打者を見て、自分の投球をやっていく。2軍でやってきたことを、しっかり出せるように」。ようやくたどり着いた舞台で、ただ自分の投球を貫くだけだ。【前原淳】