阪神と巨人が連勝を伸ばし、DeNAは連敗中。2局化の兆しが見えるセ・リーグ。どのチームにも、キラリと光るプレーをみせた選手がいる。日刊スポーツの12球団担当記者が独断と偏見+愛情? で選んだ先週のチーム別MVPを紹介。セ・リーグ編です。

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【阪神大山悠輔内野手(26)】首位を走る好調阪神を支える4番に待望のアーチが生まれた。15日広島戦の1回に広島左腕床田の低めツーシームに泳がされながら左翼席へ1号2ラン。プロ5年目で開幕から最長の68打席目での1発となった。18日ヤクルト戦では1回無死満塁からきっちり右犠飛で先制。「チームとしてどうしても欲しいというところで打点を挙げるのが仕事」と頼もしい。大山が打点を挙げた試合は、昨年から引き分けを挟んで18連勝と不敗神話も継続中。頼れる主将は、チームの勝利を最優先に打線の中心で引っ張っている。

【巨人梶谷隆幸外野手(32)】一時は打率1割5分3厘まで沈んだが、本来の姿を取り戻した。6試合で22打数10安打、7打点、1本塁打をマーク。特に16日からの古巣DeNA3連戦では真骨頂を発揮した。17日には暴投の間に二塁から三塁ベースコーチの制止を振り切って生還。翌18日には右前の飛球に猛チャージしてダイビングキャッチ。打つだけではなく、走って守ってチームを勝利に導いた。

【広島大道温貴投手(22)】広島が1週間で得た2勝はともに大道が勝ち投手となった。早い回から継投となった16日中日戦は2点リードの6回を無失点に抑え、プロ初勝利を手にした。わずか2日後の18日中日戦は1点ビハインドの7回に登板。11球で3者凡退に抑える力投の直後、チームが逆転した。佐々岡監督も「大道の投球が逆転を呼んだ」と絶賛する役割を担った。リーグ最多6セーブの栗林らとともに、勝ちパターンの1人として安定した投球を続ける。

【ヤクルト・近藤弘樹投手(25)】今季楽天から育成契約で加入し、開幕直前に支配下登録を勝ち取った。これまで19試合中10試合に登板。失点0とリリーフ陣を支える。15日のDeNA6回戦では、1点リードの6回1死一、二塁のピンチで登板。151キロのシュートで三塁併殺打に打ち取り、勝利を引き寄せた。高津監督からも「いろんなことを感じながら一生懸命やっている姿は僕の目にも映ります。本当にいい状態で毎日仕事をしてくれている」と信頼を得た。

【中日福留孝介外野手(43)】阪神を戦力外になり14年ぶりに古巣に復帰した球界現役最年長の43歳が存在感を見せた。17日広島戦(バンテリンドーム)に「3番右翼」で3試合ぶりにスタメン出場し、4回1死二塁で先制の適時二塁打。これが決勝打となり、チームの連敗は4でストップした。復帰後初めて本拠地のお立ち台に上がり「泣きそうです」とファンに語りかけた。移籍後初の2戦連続スタメンとなった18日広島戦(同)では初回に二塁打を放ち、史上13人目の通算400二塁打を達成した。

【DeNA牧秀悟内野手(22)】ドラフト2位ルーキー牧が3週連続のMVPだ。チームが1つも勝てない中、またも打線をけん引した。14日のヤクルト戦(神宮)では右中間2点二塁打と右翼本塁打で、チームの全打点をたたき出した。17日の巨人戦(横浜)では1点を追う1回、戸郷の内角直球をうまくさばいて一時同点となる6号ソロを放った。これで打点18はリーグトップ、本塁打6はリーグ単独2位となった。同じルーキーで同学年のライバル佐藤輝(阪神)を超える成績を残している。