「日産VSトヨタ」の茨城ライバル対決は、日産に軍配が上がった。

新規社会人野球チームの茨城日産が、茨城トヨペットと初のオープン戦を実施。決勝打は、西野護内野手(22=新潟医療福祉大)が放った。1-1の6回1死満塁で、中越えに2点適時二塁打。「ベンチに社長、店長がいたので、打たなきゃクビにされると、気合を入れて打席に入りました」とおどけた。

今年2月、日本野球連盟(JABA)への加盟が正式承認された。4月入社の新社会人を中心に結成。チーム練習は週2日だけで、選手たちは茨城県内で車の販売などを行う会社で働きながら、個人練習も交え、野球を続けていく。

そんな茨城日産が初陣の相手を頼んだのは、同じ水戸を本拠に、同じディーラー会社である茨城トヨペットだった。選手たちが車の販売・営業などに従事するのも同じ。球場正面には、日産車GT-Rとトヨタ車スープラが並び、対決色を盛り上げた。コロナ禍で一般公開は控えたが、会社関係者など約600人が応援に駆け付けた。

茨城日産を率いる渡辺等監督(56)は「思いの外、選手たちが頑張ってくれました」とたたえた。3月末に全員集合したばかり。チーム練習は、まだ1日しかできていない。それでも、5投手の継投で試合をつくり、好機で着実に点を重ねた。この日は勝ったが「社会人野球は甘くありません。(茨城トヨペットには)見習うことばかりです。トップセールスマンの選手もいる。我々も、仕事と両立していきたい」と話した。

敗れた茨城トヨペットの野口裕貴監督(35)は「(茨城日産は)力のある投手がそろっていますね。水戸から新しいチームが生まれたのは、うれしいことですが、公式戦を考えれば手ごわい相手です」と率直に話した。

茨城日産の公式戦は、8月の都市対抗予選から。チーム力を高め、本戦出場を目指す。【古川真弥】