楽天辰己涼介外野手(24)が、今季3度目の3安打猛打賞をマークした。25日、楽天生命パークでの西武6回戦に「8番中堅」でフル出場。1点リードの2回2死三塁で右前適時打を放ち、4月20日のソフトバンク戦以来、15打席ぶりに安打を記録した。以降3打席を2安打1犠打と仕事をこなし、今季初の8番での起用に応えた打線のキーマンが、復調の兆しをつかんだ。

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辰己の一撃が、イケイケムードを加速させた。1点リードの2回2死三塁。「ここ最近チームに貢献できていなかったので、ここで1本打ちたいと思って打席に入った」と、気合を入れて打席へ。1ボールからの2球目。西武先発平井が投じた内角に食い込むスライダーを捉え、痛烈な打球は一、二塁間を破った。三走岡島が生還し追加点。辰己は一塁上で昨年6月まで楽天に在籍した巨人ウィーラーから受け継いだという「敬礼ポーズ」で喜びを表現した。その後チームは3安打1四球で計5得点した。

4回は右前打、6回は中前打で出塁し、下位打線から好機を演出した。昨季は主に7~9番で68試合に先発起用され「(8番は)毎年打っていた打順なので、すごく僕は愛着がある。背番号も8番ですし、打ちやすかったなと思います」と振り返った。

今季は開幕から全26試合中22試合に「1番中堅」で起用され、一時は打率3割をマークしたが、直近5試合は20打数2安打の打率1割と振るわなかった。「単打打ってとか出塁したいという気持ちが、打撃を小さくしていた。(気持ちを)小さくしようと思ったら余計に振ってしまう」と自己分析。前日24日の試合後は開幕前の練習試合から磨いたコンパクトに最大出力を出す打撃を再確認し、3安打という数字に結実させた。

辰己はこの日、広範囲の守備が求められる中堅で、4度の守備機会を無失策。24日は左中間への大飛球を好捕するなど、俊足を生かす守備が光る。石井GM兼監督は「今年は守備と打撃の切り替えが本当にうまくできている。ちょっと立て続けに調子が悪かったですけど、複数安打を打ってくれて、少し気持ち的に新たな感じで、またスタートを切ってくれたら」と期待を寄せた。次戦は27日から京セラドーム大阪でオリックス3連戦。気持ちを新たに、辰己が堅守と巧打でフィールドを駆ける。【相沢孔志】

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