中日根尾昂内野手(21)がプロ1号を満塁アーチで決めた。3回1死満塁でDeNAの先発大貫から右中間へ放り込み、1点差に迫っていた相手の反撃ムードを砕いた。根尾がバンテリンドームで打点を挙げれば今季5戦全勝と不敗神話も継続。18年ドラフト1位入団から3年目で初めて1軍に定着。チーム2位タイの11打点を稼ぐ「恐怖の8番」で4月11日以来の4位へ浮上した。

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バンテリンドームに詰めかけた9679人の視線を右中間スタンドにくぎ付けにした。「すごく大きい声援だった。ファンの期待に初めて応えられたかな」。根尾がプロで初めてゆっくり回るダイヤモンドの感触を堪能した。

初回に4点を先制しながら2回に1点差に詰め寄られた。追加点が欲しい3回1死満塁。2ボールから甘く入った大貫の142キロツーシームを見逃さなかった。「ストレート系を待って、しっかりコンタクトするよう切り替えて打席に入った。何とか三塁走者をかえしたかった」。1年目のオフに強い打球を打ちたいと福井県のバット工場に出向き、職人と打ち合わせて30グラム重くした910グラムのバットが快音を響かせた。

3年目の今季は初めて開幕1軍をつかみ「8番左翼」で起用された。スタメン23試合のうち22試合が8番。首脳陣から「投手の打順の前で、相手投手にとっては簡単に四球を与えられない打順。甘いカウント球が来る」と教えられてきた。初回は狙い球を絞れず空振り三振だったが、立ち位置を思い出して待望の1発が生まれた。プロ1号が満塁弾は球団の日本選手では71年ぶりという快挙だった。 3月31日巨人戦でプロ初タイムリーを放って、お立ち台でドアラのぬいぐるみを初ゲット。4月末に両親にそのぬいぐるみと母の日のプレゼントとしてクッキーを手渡した。この日はお立ち台から「両親が生んでくれたおかげ。ありがとうと伝えたい」と改めて感謝の思いを伝えた。

これで根尾が本拠地で打点を挙げると5連勝。チームの本拠地7勝に「根尾伝説」で貢献している。打率は1割8分9厘ながら打点は木下拓に並ぶチーム2位の11点を稼ぐ。与田監督は「見事だった。ガツガツさを他の選手も出してほしい」と21歳の仕事ぶりを称賛。強竜打線の8番がチームを上昇気流に乗せる。【伊東大介】

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