首位阪神に試練が訪れた。4番で主将の大山悠輔内野手(26)がヤクルト戦(神宮)の4回裏に背中の張りのため、途中交代した。6日に出場選手登録を抹消され、戦線を離脱することが決まった。開幕から快進撃を続ける矢野阪神にとって、痛すぎるアクシデントで、試合は今季初の引き分けとなった。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が4番三塁の代役を務めることが濃厚。9本塁打、25打点とチーム2冠のスラッガーが苦境で主軸を担う。

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順風満帆に勝ち進んできた矢野阪神に、大きな試練が訪れた。4回裏の守備から、大山の姿がグラウンドから消えた。2回に悪送球で出場3戦連続エラーを犯すなど本来の動きではなかった。今季初の引き分けで、試合後にはナインとエアタッチを交わしていたが、アクシデントが発生していた。試合後、矢野監督が明かした。「背中の張りで抹消する。ちょっとは時間かかるやろ。ただそれは、もっと悪くならないための抹消やから」。6日に出場選手登録を抹消する予定。戦線を離脱することになった。

主将の負傷はあまりにも痛い。ここまで打率2割9分1厘、5本塁打、24打点の成績を残し、チームの勝利に徹する打撃で強力打線を引っ張ってきた。2日の広島戦では休養日を設け、体をケアしてきたが、ついに大山不在の緊急事態を迎えた。4番三塁の代役について矢野監督は「まあ、これから考える」と話すにとどめたが、佐藤輝が穴を埋めることが濃厚だ。大山が休養した2日に「4番・三塁」で起用され、逆転満塁弾を含む5打点を稼いだ。現在、9本塁打、リーグトップの25打点でチーム2冠。7回には中前打を放ち4戦連続安打。2日連続で試合前練習では右翼だけでなく三塁でもノックを受け、準備も続けている。この日の神宮は強風が吹き、慣れない右翼守備で神経を使ったが、近大時代の本職三塁なら打撃面でもプラスとなりそうだ。

試合では痛い走塁ミスも犯した。7回2死二塁で、代打糸井にベンチが託した場面で、初球を投げる前に投手からけん制で刺されチェンジとなった。矢野監督は「相手もすごくうまかった。痛いアウトにはなったんでね、逆に今日引き分けでよく終われたなっていう部分もあるし。テル(佐藤輝)自身はそういうものを経験にして、次からどうするかっていうことの方が大事」と話し、僅差の試合でのワンプレーの重要さを改めて思い知らされた。

今季初のドローでデーゲーム13連勝とはならなかったが、不敗神話は続く。勝った2位巨人とのゲーム差は「3」。7日からは敵地でDeNA3連戦に臨む。前回、衝撃の場外弾を放った横浜で、4番佐藤輝のバットが勝利を呼び込む。【石橋隆雄】

◆大山の抹消 18年6月22日以来、プロ2度目。6月の月間打率1割7分2厘と低迷し、再調整を言い渡され、7月3日に再昇格した。故障による2軍落ちは今回が初。

▼阪神の引き分けは今季初。12球団で最遅の初ドローとなった。なお32試合消化した時点での「22勝9敗1分け」は、08年と全く同じ。このときは5月6日巨人戦に勝ち、この成績となった。同年は序盤から圧倒的な独走を見せ、7月22日には早くもマジック46が点灯。もっとも後半戦に急激に失速し、巨人の逆転優勝を許した。さて、今季は?

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