競争なくして繁栄なし-。ソフトバンク小久保裕紀ヘッドコーチ(49)が10日、若鷹にゲキを飛ばした。

ペイペイドームで行われた指名練習をチェック。8日の西武戦でグラシアルが右手を剥離(はくり)骨折。4番に座っていた主軸の長期離脱が余儀なくされたが、動揺の色を見せずに言った。「不動のレギュラーがひとり抜けているので、若手にとってはめちゃくちゃチャンス。競争ないところに繁栄なしなので」。

現状は上林、真砂、牧原大らがグラシアルの穴を埋める構図になっている。2軍調整中のデスパイネやバレンティンらが昇格候補に挙がっていたが、同コーチは「デスパイネとバレンティンは(コンディション不良で)練習がきちんとできていない。とりあえずそのまま」と、今後も現有戦力で戦うことを明かした。

上林は今季初スタメンだった5日に3安打4打点。真砂は開幕から1軍に名を連ね、代打や代走を務めながら打率3割5分7厘。牧原大は内外野を守れるユーティリティープレーヤーで、打率2割9分2厘。同コーチは「長い目で見たときに、チーム内の競争が活性化につながる」と話し、ピンチをチャンスに変えていく。

呼応するように工藤公康監督(58)も「(試合に)出たくて出たくて仕方がないメンバーが、ここにはいる。出たら何が何でもという気持ちで向かってほしい。ばかになってアピールして。そこで『どうしよう…』とかビビッていたらすぐに代えます」と、若手の競争をあおった。チーム内のバトル激化が、2年連続リーグ優勝への1歩になる。【只松憲】