海を渡ってやってきたハンターが初めてのトラ狩りに成功した。

ヤクルトの新外国人サイスニード投手(28)が、5回1/3を3失点で来日初勝利を挙げた。米国ではアラスカ州に住み、狩りが趣味。得意の“ケモノ退治”で、今季阪神相手に7戦6敗1分けだったチームに初白星をもたらした。「ツバメが虎を退治することができた」と笑顔だった。

日本のトラは難敵だった。4回まで1安打無失点と順調な立ち上がりだったが、5回にロハス・ジュニアにソロを被弾。6回に佐藤輝に中前適時打を許し、なお1死一、二塁としたところで降板となった。「良いバッターがそろっていたし、投げミスをしたら打たれると分かっていた。なぜ彼らが今1位にいるか分かった試合だった」と、“獲物”に敬意を表した。

それでも力強い投球を披露。冬場は氷点下26度にも達する極地に住み、まき割りで鍛えた腕っ節を、おののように、振り下ろした。最速152キロをマークし、大好きな狩りを達成。「プラン通りに投げられた」とご機嫌だった。戦利品のウイニングボールをリュックに入れ「オツカレサマデス」と日本語であいさつ。意気揚々と帰路についた。【湯本勝大】