チーム最年長の大和内野手が5連敗中のチームを救った。8回に追いつかれ、あと1死でドローとなる9回2死。代打関根と桑原が連打でつないだ。打席に向かう大和は集中した。前進守備の外野に「とにかくランナーをかえす。外野の頭を越えれば」。ヤクルトの守護神、石山の149キロを捉えた。中堅手の頭上を越える2点二塁打。二塁上で右手を上げ「何とかしたかった」と息をついた。

4回、先頭打者の遊ゴロを悪送球していた。「自分のエラーから投手陣を苦しめて悪い流れにしてしまった」。雨中で三遊間の深いゴロを捕球し、素早く一塁に投げたが、送球がそれた。2失点のきっかけとなり、これを取り返す一心だった。だが、三浦監督の見方は異なる。「いっぱいいっぱいだったと思う。あの状態で投げないと間に合わない。大和だったら仕方ないという選手」。6、7回には併殺を決めていた。

あと1死から連敗を5で止めた。33歳だが最年長で「下の子たちが多いので手本になる行動を練習からやってます」という大和。早出で外野フェンス沿いを淡々と走る男が、試合でもミスを取り返す手本となった。【斎藤直樹】