日大が専大に勝利し、2部優勝に王手をかけた。

息詰まるエース対決に、今秋のドラフト候補右腕・赤星優志投手(4年=日大鶴ケ丘)が投げ勝ち、今季3勝目となる完封勝利を挙げた

「1点もやらない」強い気持ちが赤星を支えた。初回、150キロ超えの真っすぐを連発。右打者へのインコース真っすぐを投げ込み波にのった。力強い真っすぐを武器に、フォーク、カット、ツーシームを効果的に使い、打たせてとった。「野手がしっかり守ってくれた。絶対に抑えてやろうと思いました」。9回を投げ5安打6三振。「今ある球で勝負ができる」と手応えをつかんだ。

リベンジのマウンドだった。昨秋も2部優勝がかかった最終週で専大と対戦。菊地吏玖投手(3年=札幌大谷)と投げ合い1-7で敗戦した。「悔しかった。今年こそ絶対に勝って、この借りを返したいと思っていました」。この冬は、完投できるスタミナをつけるため、週に数日は200球の投げ込み。走り込みに加え、バランスを考え上半身のトレーニングを強化。力勝負の投球を見直し、打たせてとる投球に。この日の試合では、最後まで疲れを見せず。終盤8、9回には再びギアを入れ直し、自己最速タイ152キロを記録。「力感がなくても、強いボールがいくようになりました」と手応えをつかんだ。

赤星の熱のこもった投球に、打撃陣も応えた。0-0で迎えた9回表。1死から代打の小濃塁内野手(2年=仙台育英)が右越えソロ本塁打の決勝点。小濃は「絶対に負けられないと思いました」と笑顔を浮かべた。

スタンドでは6球団10人のスカウトが見守った。ロッテの榎康弘チーフスカウトは「スピードも出ていたし。力感がなく打者のタイミングも外せる。制球力もあり変化球も低めに集められる。トータル的にバランスがいいですね」と高評価した。

26日、専大との2回戦で日大が2連勝すると優勝。または、1勝1敗で、今日3試合目に行われる拓大対国士大が1勝1敗または2分でも優勝が決まる。赤星は「明日も厳しい試合になると思う。投げられるところがあれば、ベストな投球をしたい」と、表情を引き締めた。