独立リーグでも二刀流が活躍する日は近い!? ルートインBCリーグ・神奈川フューチャードリームスの右腕、杉浦健二郎投手(23)が、投手と外野手の二刀流にチャレンジ中だ。26日、神奈川県内のグラウンドで練習を行った。

「I got it!」。右翼手のポジションで、フライを捕る杉浦の声が響いた。遠投130メートルの強肩は、外野手でも大きな武器になる。「練習は、投手と野手で5対5くらいです。野球をやってるなぁという感じがあって、うれしいし楽しいです」と笑顔で明かした。

麻溝台高ではバドミントン部。草野球を経て、19年秋のトライアウトで最速150キロをマーク。BC・神奈川にドラフト指名された異色の経歴の持ち主だ。そこに、さらに二刀流が加わる。

4月下旬、投手としても野手としても活躍するエンゼルス大谷翔平投手(26)をヒントに、鈴木尚典監督(49)が提案した。「野球をやっていく中で(成長の)種になるかもしれない」とすすめられ、杉浦の二足のわらじ生活が始まった。

実は、独立リーグのトライアウトを野手としても受けていた。草野球のチームではさまざまなポジションをこなしていたこともあり、すんなり受け入れられたという。「守備の経験が圧倒的に少ないので、打球感などが難しい」と練習に取り組む日々だ。

フリー打撃では、フルスイングで外野に軽々と打球を飛ばす。ヤンキースのジアンカルロ・スタントン外野手をお手本にしたスタンスで、練習を見ていたチームメートからは「助っ人外国人みたい」との声も上がった。鈴木監督からは「ホームランを打て」という指令も受けている。本人は「強く飛ばすことを、心がけています」という。

すでに巨人3軍との試合で外野手デビューを果たした。鈴木監督は「身体能力が高い。普通の人が持っていないものを持っている。すごく生き生き取り組んでいるのが分かる。チャンスがあったら(リーグの)試合でも使ってみたいと思っています」と明かした。

本職の投手としては、5月2日の埼玉戦で自己最速を更新する152キロをマークした。「外野手の送球をする中で、投手としての投げるタイミングも合ってきた感じがする」と“二刀流”ならではの手応えもある。

やはりエンゼルス大谷のプレーは気になり、日々のチェックは欠かさない。「すごいなという感想しか出てこないです」と話した。最近のリーグ戦では、ブルペンに外野手用グローブとバットを持ち込み、準備をする。目標はぶれずにNPB入り。「投手でも、野手でも、注目してもらえるなら。投手としては、じっくり技術を磨きたい。(試合前の)シートノックも、全力でやっていきます」。二刀流の独立リーガーへ、突き進む。