強すぎて質問なし!? 阪神タイガース親会社の阪急阪神ホールディングスの株主総会が16日、大阪市北区の梅田芸術劇場で開かれた。例年なら株主から阪神球団に関する批判的な質問、ユニークな質問が飛び出すことで注目されるが、今年はタイガースに関する質問は一切なし。無風だった。阪神は交流戦を終えて2位巨人に7ゲーム差を付けて貯金20を積み上げる。ベテラン広報担当者も「(タイガースに関する質問なしは)記憶にないですね。チームの成績がいいからですかね」と首をかしげた。この日は274人の株主が参加。質疑応答では14人の株主から21件の質問があった。

【阪神株主総会アラカルト】

▼上機嫌 03年、首位を独走する中で行われ、出席した株主からは「もう優勝は間違いなし。株価も上がるのでは」「今年は総会に来るときの気分が違うね。毎年こうやったらいいのに」と景気のいい言葉が相次いだ。

▼売却否定 07年、阪急HDと阪神電鉄の経営統合後、初の総会。「(阪急はかつて)ブレーブスを売却したことがある。阪神タイガースも売却されるんじゃないかと不安を持っている」との質問に角社長が「売却することは、まったく頭にありませんし、そんなバカな経営者はいない」と否定し、会場からは拍手。

▼外ればかり? 09年、前年のフォードに続き、新助っ人メンチが不振で、株主の1人が「新人も含めどんなポイントでスカウトしているのか。全く分からない。外ればかり取っている」と痛烈批判。南球団社長も「本当にふがいない成績で申し訳ない」とざんげ。

▼不良債権? 12年は外部から補強した城島、小林宏について「活躍していない。給料は高いのに不良債権を抱えているだけ」と手厳しい言葉が飛んだ。

▼「超変革」支持 16年は金本監督の進める「超変革」を称賛する意見が次々。「負けが込む時期もあるけど、若手を使ってようやってることは目に見えている」と絶賛する声も。

▼車両の色に不満 17年、ある株主が阪神電鉄の車両にオレンジ色が使われていることに「名前も言いたくないあの球団(巨人)の色は変えることはできないか」と質問。電鉄側は「現状の色のままでいきたい」などと返答した。

▼回転ずし? 19年、ドラフト戦略に触れた1人の株主が「回転ずしなら大トロやウニの皿があるのに、タコやイカの皿から取っている。なぜこのようなドラフトを続けるのか」と質問。「今季は守る野球、センターラインを重視したドラフトでした」と返答。

▼藤浪君は悪くない 球界初のコロナ感染者となった藤浪ら3選手は、球団のヒアリングでその数週間前に大人数の会食に参加していたことが判明。食事会が感染経路と確定したわけではないが、感染しやすい状況に身を置いたことで、多方面に影響を及ぼした。ある男性株主が「藤浪君は悪くない。周りがチヤホヤさせすぎや」と指摘した。