これも輝効果!? 阪神タイガース親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が16日、大阪市北区の梅田芸術劇場で開かれた。例年なら株主から阪神球団に関する批判的な質問、ユニークな質問が飛び出すことで注目されるが、今年は阪神球団に関する質問はまさかのゼロ。怪物ルーキー佐藤輝明内野手(22)の活躍などぶっちぎりの強さを誇る猛虎に「モノ言う株主」も言うことなしのようだ。

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怪物ルーキー佐藤輝のバットが辛口の株主様を黙らせたのか。阪急阪神HDの株主総会は午前10時から始まったが、質疑応答になってもマイクを握る株主の口からは、タイガースの「タ」の字も出なかった。

「能勢電鉄の完全子会社化は?」「空港線の実現は?」「駅にあるポスターの駅員がマスクをしていない」「阪急嵐山駅には和式トイレしかない」…。

同HDの株主総会は昨年に引き続き、コロナウイルスの感染リスクを避けるためにインターネットによる議決権の行使を推奨。この日は274人の株主が参加した。質疑応答では14人の株主から21件の質問があったが、阪神球団に関する質問が出ることは最後までなかった。まさかの事態にベテラン広報担当者も「記憶にないですね。チームの成績がいいからですかね」と驚いたほどだ。

厳しくも愛のある質問は梅雨時の風物詩だった。阪急HDと阪神電鉄の経営統合後、初の総会となった07年はある株主が「阪神タイガースも売却されるんじゃないかと不安を持っている」とド直球質問。角社長が「そんなバカな経営者はいない」と否定し、会場が沸いた。19年にはドラフト戦略に触れた1人の株主が「回転ずしなら大トロやウニの皿があるのに、タコやイカの皿から取っている」と球団の編成方針にズバリ切り込んだ。

3年目を迎えた矢野阪神は2位巨人、ヤクルトに7ゲーム差をつけてセ界トップを独走する。交流戦を終えてもその勢いは止まるところを知らず。なかでもルーキー佐藤輝は1年目からレギュラーに定着し、16本塁打をマークするなど新戦力が次々と台頭する猛虎の象徴になっている。株主総会の異例とも言える質問ゼロは、非の打ちどころがないチーム状況を物語っていた。【桝井聡】

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