阪神西勇が「トンネル脱出」でプロ通算100勝に王手だ。7試合勝てず、この日も窮地だった。1回2死から2四球で満塁のピンチを招いた。中島を内角シュートで三ゴロに詰まらせ、耐えた。

毎回のように走者を出した。3回から3イニング連続で四死球を与えたが、要所を締めた。「今日は苦しいなかだったけど、梅野が最大限に僕を引き出してくれて、みんなにたくさん点を入れてもらった。本当に自分1人ではなく、チーム全体で勝てた。この1勝を大事にして今後も投げていきたい」。序盤は外角球が多く、中盤から内角球も駆使し、7回1失点だった。

4月20日巨人戦以来、約2カ月ぶりの4勝目で99勝目。「ずっと勝てなくてチームに微妙な流れだった。なんとかいろんな方法で変えたり、考え方、配球をいろいろ考えながら1週間1週間、過ごしていた」。今季の投球回数77回2/3はチーム最多だが責任を痛感。荷が軽くなる1勝だった。

矢野監督も「まだ本当の勇輝らしさにいっていない。その状態でも7回までしっかり投げてくれたのは勇輝の地力」と信頼。交流戦0勝だった男の奮闘でリーグ戦再開を飾った。西は「この(連勝の)流れを止めないのを1番に考えていた」と言う。Vロードに欠かせない主役が帰ってきた。