ソフトバンクが貧打に泣き、2試合連続、今季13度目の引き分けに終わった。

得点は5回柳田の15号ソロのみで、今季2度目で最少タイの2安打と湿った。12年以来9年ぶり、工藤政権では初の7戦白星なし。この間は1試合平均で5安打2得点と打線に元気がなく、工藤公康監督(58)は「何とか打破していかないといけない」と奮起を促した。

日本ハムの先発左腕、加藤のスライダーやフォーク、100キロ台のカーブに手を焼いた。指揮官は自身の現役時代を引き合いに低迷する打線を分析した。

工藤監督 調子自体はみんな落ちている可能性はある。どうしても「甘い球を、甘い球を」と選んでしまう。僕も調子が悪いバッターに投げる時に、どうしてもバットが出てこないとか、振りにいったらボール球だったり、待ったら甘かったりというのを経験した。可能性として、そういうのはあるかもしれない。

この試合で打席に立った延べ29人のうち13人がファーストストライクにバットを振った。割合は44・8%。一方、最後に2桁11安打(10得点)を放った5日阪神戦を見ると、45人のうち26人で57・8%だった。指揮官は打線が消極的になっている可能性を指摘した上で「勇気を持って振りにいくことが大事」と注文した。

リーグ戦の再開カードで最下位相手に1つも勝てなかった。振り向けば4位ロッテに1ゲーム差に迫られているが、前を向いても首位のオリックス、楽天を1・5ゲーム差で追っている。「しっかり切り替えて、また強い気持ちを持ってやっていく。それしかないです」。現在、1桁安打が今季最長の10試合続く。打線が梅雨明けすれば、常勝軍団が混戦パ・リーグを抜け出すはずだ。【只松憲】

▼ソフトバンクは今季13度目の引き分けで、89年の福岡移転後では最多となった。球団最多は74年の16度。

○…黒星こそ免れた和田は投球リズムの悪さを反省した。初回は先頭浅間に先制ソロを浴び、2四球もあってなお1死満塁を招いた。6回途中まで97球を投げて1失点ながら毎回走者を背負う苦しい投球。「リズムの悪い投球になってしまい、このような試合展開になってしまったと責任を感じます。何とか粘って、最少失点でしのぐことができたのはよかった」。今季5勝目、本拠地80勝目は持ち越しとなった。

○…ソフトバンク板東(8回に登板して無失点で4ホールド目)「先頭打者は出してしまいましたが、走者をかえさないということだけを考えて投げた。無失点で終わることができて良かった」