オリックスのドラフト3位、来田涼斗(きた・りょうと)外野手(18)が、12球団の高卒新人一番乗りでプロ1号弾を放った。この日、「7番・左翼」で出場選手登録即スタメンに抜てきされた。20年ドラフトでプロ入りした高卒新人のスタメン出場は、12球団で一番乗りとなる。初回、3-0の2死一塁で回った初打席で、日本ハム池田の初球を捉え、右翼芝生席にたたき込んだ。初打席の初球本塁打はプロ野球10人目で、高卒新人では史上初となる。

「打ったのはシュートだと思います。コーチからもどんどん積極的に振っていけと言ってもらっていましたし、1球目から思いきって振っていきました。(本塁打は)打った感触もよかったですし、うれしいです!」と18歳の声も弾む。

プロ1号だけでは終わらない。5-0の3回2死の第2打席で、今度は日本ハム3番手のアーリンの初球を捉えた。左前に落として出塁し、続く若月の2球目に二盗に成功。さらに果敢に三盗も狙った。アウトの判定に中嶋監督がリクエストを要求も、アウトの判定は変わらなかった。

6回、先頭での第3打席も初球から打ちに行き、ファウル。5球目を捉えた打球は二塁への内野安打となり、猛打賞のデビュー戦となった。6回裏の守備から小田と交代。3打数3安打2打点で初戦を終えた。

来田は明石商(兵庫)時代、ドラフト2位でロッテ入りしたエース中森俊介とともに甲子園で活躍。1年夏、2年の春夏、3年夏(新型コロナウイルス感染拡大の影響で交流試合)と甲子園に出場した。オリックスではウエスタン・リーグ67試合に出場し、1本塁打、22打点、打率2割7分3厘とチームトップの成績を残していた。11日にタマスタ筑後でのウエスタン・リーグのソフトバンク戦を終えて博多遠征中の1軍に合流し、北海道・釧路入り。13日に出場選手登録された。

▼高卒新人の来田が初打席で初球を本塁打。初打席本塁打は20年大下(オリックス)以来67人目で、初球を打ったのは19年コラス(ソフトバンク)以来10人目。高卒新人では18年村上(ヤクルト)以来8人目となり、高卒新人の初打席初球本塁打は初めて。来田は2、3打席目も安打。初打席本塁打の試合で猛打賞は83年駒田(巨人)95年稲葉(ヤクルト)13年加藤(ロッテ)に次ぎ4人目で、高卒新人は初。高卒新人のデビュー戦猛打賞は84年村上(近鉄)以来と珍しく、「初打席本塁打」の条件を外しても高卒新人がデビュー戦で1発含む猛打賞は2リーグ制後初めてだった。

◆来田涼斗(きた・りょうと)2002年(平14)10月16日生まれ、兵庫県神戸市出身。小学6年時にオリックスジュニアに選出された。明石商では1年夏、2年春夏に甲子園出場(20年夏の甲子園交流試合を除く)。2年春の智弁和歌山戦では春夏を通じ史上初めて、同じ試合で先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打。同夏の履正社戦では史上初となる通算2本目の先頭打者本塁打。20年ドラフト3位でオリックス入団。180センチ、85キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸500万円。