「マイナビオールスターゲーム2021」の第2戦が17日、楽天生命パークで開催され、全セの阪神佐藤輝明内野手(22)が2回に左翼へ球宴1号を放った。新人選手が本塁打を放つのは球宴史上5人目の快挙だ。宮城・村田町から駆け付けた祖父勲さん、祖母美智恵さんの前で、交流戦に続く豪快アーチ。怪物ルーキーが一流プレーヤーと交流を図り、夢のような2日間を終えた。
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少年のような笑顔だった。ベンチ前にはヤクルト山田、巨人坂本、広島菊池涼、中日ビシエド…。球宴ならではの豪華メンバーとグータッチ。佐藤輝が顔をくしゃくしゃにして「Zポーズ」を披露した。
「真っすぐ来てくれ、と。本塁打を狙ってスイングしたんで、すごく気持ち良かった」
2回1死。夕暮れの宮城の空に、左腕宮城の直球を打ち上げた。打球は左翼席最前列へ着弾。宮城・村田町から駆け付けた祖父勲さん、祖母美智恵さんの前で球宴1号を放った。
「小さい頃、ここにプロ野球を見に来たこともありますし、祖父母も来てたんで。そういう意味でも頑張れた」。小学1年で野球を始めた時から熱血指導を受けた祖父へ、交流戦に続く恩返し弾。球宴史上5人目の新人アーチは、子どもの頃から変わらないフルスイングから生まれた。
夏休み直前の土曜日。少年時代に自身が訪れたように、球場では少年少女が水色の「佐藤輝明タオル」を揺らした。187センチのルーキーも、夏休みには公園で野球やサッカーを楽しむ純朴な子どもだった。「ラジオ体操は朝が苦手で行ったことない…。学校がなくて友だちとずっと遊べるから楽しみでした」。遊びに夢中で、花火大会などお祭りには「あまり行ったことない」と苦笑い。大人になって、プロ野球選手として野球のお祭りを楽しみ、でっかい花火を打ち上げた。
本塁打への意識はずっと特別だ。小学生の時、近所の公園の防球ネットを越える特大弾が、民家に直撃してしまったこともある。「ホームランを打つにはホームランを打つ練習をしないといけないですよ。打ちたかったんで、自然と(全力の)そういうスイングになっていたんじゃないかな」。良い子はマネしちゃダメ? なアーチストの発想。いつでも強振を貫いてきた。
試合前にはソフトバンク柳田、オリックス吉田正と記念撮影。佐藤家では長男だが弟のように笑った。敢闘選手賞、マイナビ賞もダブル受賞。計200万円のお小遣いにニンマリだった。「あらためて、野球は面白いと思いました」。しばし五輪ブレークで調整期間に入る。「いろんな選手と会話できましたし、後半戦が始まるまでいろいろ試したいです。タイガースは首位で前半戦終えることができたので、後半戦もタイガースらしい野球をやって優勝できるように頑張っていきます」。童心に帰った2日間。忘れられない夏の夜を胸に、後半戦も猛虎の強力な推進力になる。【中野椋】



