日本野球機構(NPB)はJリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議を19日、行った。NPBの斉藤惇コミッショナーはワクチンを2度接種後の濃厚接触者の扱いについて意見交換していると明かした。「五輪後の新しい態勢を真剣に考えないといけない。ワクチンを打った人は今までの通りの濃厚接触者ルールでいくのか、修正していいのか。時間をかけないといけないかもしれないが、社会問題にも展開するものだと思うので、真剣にルール化したい。準備を急ぎたいと思っている」と話した。

現状では保健所から濃厚接触者と認定されれば2週間の自宅待機を余儀なくされる。「選手から1番出そうなのはワクチンを2回打った者同士なら食事に行っていいのではとか、注射を打った人も(濃厚接触者としての隔離期間が)同じですか、と疑問を呈してくると思う。保健所を中心に決めることで、時期尚早というのもあるかもしれない。課題としては重要だと受け取っていただいた。まだ、こうします、と言える段階ではないと思っている」と今後の政府方針を待つ。

また五輪の無観客決定について「どうのこうの言う立場ではない。専門家で議論されて結論を出された問題でしょうから、粛々と受けざるをえない」とした上で「一般論として、五輪に東京に来てくださいと言ったのは日本。必死に招待して選ばれて、歓喜の瞬間、みんな跳ね上がって喜んで、世界から一流選手が日本に来る、子どもに見せたい、自分も見られる、という気持ちで取り組んだ。1年延期となった段階で、気持ちがだんだん変わるのは分からなくもないが、世界中がかかったパンデミックに、本当に日本が必死で取り組んで、先へ、先へと、ワクチンや観客、感染率などいろんな問題、病院の対応など、1年あったわけだから、取り組んで、日本はこの難しい中でよくやったなと、五輪には戦争が絡んだ歴史などいろんな問題があったけど、後で振り返って、パンデミックで敢行された日本での五輪が素晴らしいと、みんなでそういう記録を作ろうという盛り上がりが、残念ながらないと思う。東京に来てくださいと選んだ責任、心の決め方は、人間としては大事だと思う。難しくなってきたから投げてしまったような発言をしたら、日本の国際的な位置づけが無視されてしまう。前向きに取り組んでいくべきだと思う」と話した。