東京オリンピック(五輪)で公式戦を中断する期間に行う「2021プロ野球エキシビションマッチ」が27日に始まり、セ・リーグ首位の阪神は佐藤輝明内野手(22)の2発などで快勝発進した。前半ラストは不調に終わったが、第1打席でロッテ佐々木朗の155キロを左翼へ運ぶ先制2ランを放つと、同点の8回は小野から決勝2ラン。後半戦の首位けん引を任せろと猛烈アピールした。

始まったエキシビションマッチで、佐藤輝がいきなり2発をぶちかました。まずは1回1死一塁。佐々木朗の初球、低めの155キロを左翼ポール際へ先制2ランを運んだ。同点の8回1死一塁は小野の153キロをバックスクリーン左へ、飛距離137メートルの特大決勝2ランだ。「五輪期間にいろいろチャレンジしていく中で結果が出た」。155キロの痛打はシーズン20発の中で最速球。不調で終わった前半戦は直球に差し込まれる場面もあった。コースは甘めでも課題の剛速球を打ち砕いたプラスは大きい。

この日から左手のバットの握りを変えた。小指を右手にかけるように合体していたが、5本でしっかり握るようにした。「より正確に、確率よくとらえるために必要じゃないかと試しています」。球宴で多くの一流からもらったヒントを生かし、復調につなげた。

登場曲も変えた。ももいろクローバーZの「吼えろ」ではなく、洋楽のEl Alfaの「A Correr los Lakers」。「意図は特になくて。エキシビションなんで。でも、ベンチ上のちっちゃい子に『何でももクロの曲ないの?』って言われたので、ちょっと考えます」。会心の笑顔が後半戦への手応えの表れだ。【石橋隆雄】

◆エキシビションマッチ 27日から8月10日まで基本有観客で行う。全57試合で、無観客試合も8試合ある(27日現在)。日本代表が正午から試合をする28日はナイター開催、決勝戦がある8月7日はカードを組まないなど五輪に配慮。同一リーグの対戦はなく、イニングなども両チームで協議し、特別ルールも可能。