青森山田シニアが、稲城シニア（関東・西東京）に9－3と快勝。全国大会で、東北勢初の決勝進出を果たした。4番吉川勇大内野手（3年）の先制左前適時打を皮切りに打線がつながり9安打9得点。最後はエース桜田朔（3年）が3者凡退で試合を締めくくった。青森山田シニアは今日6日、日本一をかけて東練馬シニア（関東・東東京）と対戦する。

　　　◇　　　◇　　　◇

快進撃は止まらない。4日にチーム初の4強。そして、東北勢として初の決勝に進出。“日本一”へ王手をかけた。

1回1死一、三塁。吉川の先制打で試合の主導権を握ると、4回まで毎回得点。離されまいとする稲城に尻尾をつかませなかった。6回2死二、三塁の場面では吉川が打ち上げた打球を中堅手が落球し2点を追加。「正直打ち取られたと思ったんですけど、ラッキーでした」。運も味方につけた吉川は「あと1回勝てば日本一。入学してきたときから日本一を目標に取り組んできたので、チーム一丸となって戦っていきたいです」と意気込んだ。

投手陣は先発・田中奏（3年）、菊池統磨（2年）、乕谷朔ノ助（2年）、桜田の継投リレーで、今大会最多20得点を挙げている稲城打線に的を絞らせず3失点に抑えた。中條純監督は投手陣について「守備を短く、リズムを良くすることを求めれば、もっと楽な展開になる。明日は残っている投手全員で7イニングを抑えるつもりで頑張ってもらいたい」と期待を込めた。

他のチームとは、一緒に過ごしている時間が違う。青森山田中で学校生活をともにし、野球に向き合ってきた。チームでたどり着いた決勝戦。中條監督は「自分たちがやってきたことを信じて思い切ってやるだけだと思います。彼らの可能性を信じて、東北初の日本一というところにこだわって戦いたいです」と意気込んだ。あと1歩に迫った東北勢初の日本一へ。全員野球で東北の地に優勝旗をもたらす。