広島大瀬良大地投手(30)が7回1失点の好投で、チームに後半戦白星発進&今季初の5連勝をもたらせた。初回4得点の援護をバックに、力で押した。失点は5回先頭の大山に浴びたソロだけで、最後まで球威は落ちなかった。「今日のピッチング、フォーム、力の入れ具合というのは、理想に近い形の球、フォームだった」。充実の91球で、今季4勝目を手にした。

右ふくらはぎ痛と約1カ月のリハビリで、志願の早期復帰を果たしたが、その代償が前半の投球に大きな影を落とした。プロ入り最長、先発7試合連続勝ち星なしの屈辱も味わった。

巻き返しに向けた準備は6月下旬から始まっていた。まだ前半戦終盤。それでも登板3日前くらいまで練習強度を上げて追い込んだ。今季から取り組む、下半身を主導にしならせるフォームには、土台となる下半身の力強さが必要だった。

迎えた後半初戦のこの日、初球から148キロを連発し、6回は最速151キロをマークした。奥歯をかみしめながら、先を見据えて汗を流した前半戦の下積みが、後半戦の好発進につながった。「これを継続してチームに貢献していけるよう頑張っていきたい」。前半戦を4連勝で締めくくったチームの勢いを、エースが自らの投球で加速させた。【前原淳】