楽天先発の田中将大投手(32)が中17日で東京五輪明け初先発に臨み、7回を今季最多116球、5安打2失点の力投も勝敗はつかなかった。

今季初のカード初戦を任され、立ち上がりから勢いよく右腕を振った。1回2死一塁の場面で王柏融をこの日最速の153キロで三邪飛。2回も2死から佐藤に左前打を許すも、石井を遊ゴロに打ち取った。

だが3回、先制を許した。2死一塁から野村に甘く入ったスプリットをバックスクリーンへ2ランを運ばれた。それでも5回に味方が同点に追いつく。田中将も5回まで毎回安打を打たれながら、勝ち越しは許さなかった。6回はこの日初の3者凡退。7回には先頭石井を外角いっぱいのスライダーで見逃し三振を奪うと「おりゃ~!」と気迫の叫び声。3者凡退で締め、同点のまま、116球を投げきった。

金メダルを獲得した東京五輪では2日の決勝トーナメント初戦米国戦で先発登板。3回2/3を3失点で降板した。7日の決勝米国戦ではブルペン待機も登板機会がなかった。

久々の実戦登板にもブランクは「感じなかったです。スムーズにゲームに入ることができた」と違和感なく腕を振った。「全体的にはそんなに良くなかったかなと思います」としながら「(3回に)四球が絡んでのホームランでの失点はすごく反省しなければいけない点ではありましたけど、それ以外ではランナーを背負いながら厳しい投球ではありましたけど、点を与えずに粘り強くアウトを取れたことは、よかった点かなと思います。行こうと思ったら次の回もいけるくらいの感じだったので、体の状態的にはよかったと思います」と勝機を見いだす好投に、手応えを示した。

▽楽天炭谷(5回に右前適時打で5試合ぶりの打点)「チャンスでしたからね。いいつなぎができて良かったです」