5年連続日本一は諦めない。ソフトバンク千賀滉大投手(28)が、エースの底力を見せた。

7回2失点の投球でチームの連敗を4でストップ。千賀が前回登板した8月25日西武戦以来の白星をチームにもたらした。東京五輪を経て、後半戦は無傷の3連勝で4勝目。「前半戦で仕事できなかった分、後半は投げる試合は全部勝つつもりで投げている」と力強く話した。

本拠地では今季初、昨年11月のCSファイナルステージ、ロッテ戦以来の登板だった。「懐かしいな、と思いながら投げました」。初回に2点の援護をもらい、スイスイと投げた。4回は先頭島内に安打されたが、続く4番浅村を1球で併殺打に仕留めた。6回に茂木の適時二塁打で2点を失い、自身の連続無失点は18イニングで止まったが、連敗中のチームを鼓舞する94球だった。

新たな魔球も手中に収めつつある。昨季から試している、140キロ台後半で左打者の外角に沈むシンカー系の球で、4回には茂木から空振り三振を奪った。「あれがあるというのが広まって、打者が嫌な球種が増えていくのが大事。あの球を使えることによって幅が広がる」。剛速球、おばけフォークだけじゃない。鷹のエースは常に進化を続けている。

チームは勝率5割に復帰。3日からはホームに首位オリックスを迎えて3連戦だ。工藤監督は「何よりも初戦が大事だと思いますので。全力を尽くして勝てるようにしたいと思います」。先週の対戦では2敗1分けと完敗した。リベンジで逆転Vへの希望をともす。【山本大地】