中日大野雄大投手(32)がチームの危機で7回を0封し、5勝目をつかんだ。開幕投手を務めた福谷が、8月31日阪神戦(甲子園)で右足親指を骨折して戦列離脱。9月反攻へ先発の台所事情が苦しくなる中、強力DeNA打線相手にエースの意地を見せた。

リードは1点。最大のピンチは7回だった。2死から左の代打攻勢にあった。神里に四球を許し、楠本の右前打で一、三塁。だが、動じなかった。右の代打伊藤光への初球は内角へ148キロの直球。「良い球が投げられた。右打者の内角を突けていた」。左飛に打ち取り、7個の0を並べた。

福谷の離脱を受け、気合十分のマウンドだった。

大野雄 しっかり準備していけば、中5日でもいける。1つでも勝っていかないといけない。柳ともそういう話しをしている。柳がいくと僕も中5日になる。つられて頑張りたい。僕らが投げていくことで(福谷も)やる気が出るでしょう。

上位浮上を諦めず、フル回転を宣言。福谷への早期復帰へのエールも込めた。

金メダルを獲得した東京五輪ではブルペン待機を続けながら先発準備も並行させた。「(ブルペンで)真っすぐも変化球も思い切って腕を振って投げた。それが生きている」。後半戦3試合で2勝1敗、防御率0・90。沢村賞左腕にスイッチが入った。【伊東大介】

▽中日与田監督 (大野雄は)真っすぐの状態が本当に良かった。(福留は)年齢を感じさせない動きで頑張ってくれている。

▽中日R・マルティネス(DeNA助っ人から2奪三振で14セーブ)「今日はいつも以上に、低めに強い球を投げることを心がけた」