ヤクルトは首位阪神にまた1歩突き放された。2回1死三塁でオスナの右前適時打で先制。1死一、二塁の場面では、オスナとサンタナが重盗に成功。外国人選手のみでは14年8月14日、オリックスのペーニャとヘルマンが記録して以来、7年ぶりの走塁で勢いをもたらした。小川の適時打と山田の15戦ぶりのソロと、3回までに3得点。いい流れで序盤を終えた。

それでもエース小川は踏ん張れず、5回1死一塁で、代打ロハスに同点2ランを献上。初球の甘く入った直球を捉えられた。高津臣吾監督(52)は「もうちょっと他に手はあったんじゃないかと思う。あまり配球のことは言いたくはないが、大いに反省するべきところ」と厳しかった。続く6回2死でサンズに中前打を許したところで、降板。指揮官は「いろいろあって」と濁したが、早めの継投に入った。直後に大下が大山から決勝の2ランを浴びた。歓喜で盛り上がる甲子園で、高津監督は表情を変えずにグラウンドを見続けた。

これで首位阪神とは3・5差。9日の試合で敗れれば優勝戦線から遠ざかる。負けられない一戦へ向け、険しい顔つきのまま、球場を後にした。【湯本勝大】