現役最年長の中日福留孝介外野手(44)が金字塔とともに今季4度目の3連勝をけん引した。2点を追う7回2死一塁。ヤクルト4番手田口から3号同点2ラン。中日では同じ44歳4カ月でマークした谷繁元信を5日間上回る、最年長本塁打記録となった。

「久しぶりに芯で打った。打った瞬間に確信できた」。ベテランも自画自賛する完璧な当たりだった。「けん制が続いたりする中でも、集中して待てていた」。1ボールからの142キロ直球を完璧に捉え、バックススクリーン右に運んだ。

「常に打席ではファーストストライクから振っていくつもりでやっている。振っていかないと何も起きない」。44歳のフルスイングに打線も呼応。8回には木下拓の勝ち越し10号ソロなどで一気に4点を奪い逆転。12安打9得点でヤクルトとの打撃戦を制した。

この日は3試合ぶりのスタメンだったが、好調をキープ。8月31日の阪神戦から出場8試合で3度決勝打を放ち、この日は同点弾と結果を残す。「常にうまくなりたい気持ちがある。それがなくなったら終わってしまう」。球界最年長を感じさせない輝きを放つ。

若手への打撃指導でも一役買っている。この日はキャンプで打撃のアドバイスを送った18歳の土田がプロ初スタメンで2失策。「ミスは僕らもやってきた。ミスして当たり前。この後、どうしていくか」と期待の大型新人の背中を押した。

後半戦でチームに本塁打が出ると8戦6勝1敗1分けと好調が続く。福留は「みんなで作った流れ」と明かす。竜の9月反攻はまだまだ続く。【伊東大介】

▽中日藤嶋(5回1死一、二塁から2番手登板で6回まで無失点) 勝ちに貢献できてうれしい。

▽中日又吉(4番手で8回の1イニングを無失点で2勝目) 野手が(7回に)試合を振り出しに戻してくれたので、丁寧に投げた。

▽中日京田(11試合連続安打) ミスショットが多かった。次は一振りで決めたい。

▽中日木下拓(8回に自身初の2桁本塁打となる勝ち越し10号ソロ) 途中出場でも集中できていた。試合に出させてもらったら結果で応えたい。