巨人のマスコットガール「VENUS」の斉藤ななこさんは、ずっと野球が身近な存在だった。兄2人とも小学生から高校まで、野球漬け。土日はお手伝いで少年野球のお茶当番をこなす日々を過ごした。自然な流れで野球観戦に訪れ、グラウンドで輝きを放つマスコットガールに憧れた。

VENUSに入って、子どもが好きになった。球団が展開する社会貢献活動「G hands」の一環として、都内の幼稚園を訪問し、交流。野球の楽しさ、応援することの素晴らしさを伝えている。ただ、毎回子どもたちのフレッシュなパワーを目の当たりにし、逆に感じさせられることがたくさんあるという。「本当に楽しくて! こちらが元気をもらって帰ってます。末っ子で、元々あまり子どもと関わる機会がなくて。たくさん触れ合って、小さい子がすごく好きになりました」とグラウンド外の活動にも精を出す。

それでも、たくさんの観客が見守る前での“ステージ”は格別だ。3年目の斉藤さんにとっては、チームは19年から2年連続優勝中とまさに“勝利の女神”。「優勝の瞬間に携われたことが、言葉に表せないくらいの興奮というか、やりがいを感じます。19年の時、優勝セレモニーで1周歩かせていただいたのですが、その光景が本当に一生忘れられない」。今年も歓喜の瞬間を信じて、全力で踊る。【小早川宗一郎】