今季、1部昇格の日大が、首位を走る亜大に逆転サヨナラ勝利を果たした。

赤星に負けをつけない-。ドラフト候補でこれまで2試合連続完封勝利の赤星優志投手(4年=日大鶴ケ丘)が先発するも、初回亜大に3点先制されると、選手たちの間から、合言葉のように声が上がった。

1-4で迎えた9回裏も、選手たちは前を向き、あきらめなかった。1死から3連打で2点。なおも四球で満塁とし、代打の角田勇斗内野手(1年=習志野)が押し出し死球で同点とした。さらに1死満塁。一打サヨナラのチャンスに、打席に向かう津原瑠斗捕手(4年=日大三)に、片岡昭吾監督(43)が声をかけた。「浮いた球を振れ」。津原は「監督の言葉で、気持ちが楽になった」と、指揮官の指示通りの浮いた真っすぐを振り抜き、中犠飛に。「今まで、赤星が頑張ってくれていた。みんなで負けをつけさせない、という思いでした」。チーム全員の思いを乗せた一打は、劇的なサヨナラ犠飛になった。

片岡監督は「初回に3失点しましたが、全体で向かっていった結果がこうなった。バットを短く持ち、つないでくれた」とその結束力をたたえた。

2勝2敗で迎えたこの試合。片岡監督は「このカードの勝敗が優勝のカギを握る。2連勝するしかない」と話していた。チーム力でまずは1勝。日大は波に乗る。