DeNA牧秀悟内野手が新人王争いへスパートだ。1回、スライダーを中越えに先制20号ソロ。プロ野球18人目、球団では03年村田以来3人目の新人20号に到達した。「佐野さんに10本台と20本台はだいぶ違うよと言われていた。20本に乗せることを18本ぐらいから意識し始めた。20本打つことができてよかった」と声をはずませた。春の目標は10本。「こんなに打てるとは正直思っていなかった」が本音だ。

これだけで終わらない。3回に2打席連続の21号を同じ中堅左に放り込んだ。「追い込まれていたので狙うより対応しよう」とカーブに体が反応した。小学生以来という2打席連発。中距離打者の意識は「変えずにいきます」も、ライバル阪神佐藤輝に2本差。「佐藤だけでなく、すごい新人がいるので、意識はするんですけど、自分の打撃を崩さずに」とした。

パワーの源は69センチもある太ももだ。松本第一高時代、付け根を締める加圧トレーニングに励んだ。「血行を一時的に止めて、放した血流で筋肉を大きくする感じのトレーニング。徐々に大きくなっていったと思う」。当時の桜井正孝監督は「泣きそうな顔をしてやってました」。高校では通算11本塁打、中大でも東都通算5号の中距離打者が、プロで成長を続けている。【斎藤直樹】

▽DeNA三浦監督(牧の連日の活躍に)「今日は何か更新しましたか? 想像をはるかに超える打撃をしてくれています(笑い)」

▼ルーキー牧が20、21号と2打席連発。新人で20本塁打以上は今年の佐藤輝(阪神)に次いで18人目。DeNAでは59年桑田31本、03年村田25本に次いで3人目になる。同一シーズンに2人以上の新人が20本は81年の原(巨人)22本と石毛(西武)21本以来5度目。同一シーズンに同一リーグで2人は50年パ・リーグの深見(西鉄)22本と戸倉(毎日)21本、58年セ・リーグの長嶋(巨人)29本と森(中日)23本に次いで63年ぶり3度目。

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