阪神ジョー・ガンケル投手(29)が、7回途中4安打無失点の好投で9勝目を挙げた。後を受けた及川が7回1死三塁のピンチを切り抜けると、ベンチで雄たけびを上げ喜びを爆発させた。

「しっかり勝たなければいけない試合だったので、この勝利は大きかったよ」

低めに丁寧に投げ込み、持ち味を発揮した。2、3、5回と二塁に走者を背負った場面では、全て内野ゴロでピンチを切り抜けた。19アウトのうち12個をゴロで奪った。「ゴロを打たせて、守備にとらせる、これが自分のピッチング。今日、その自分のピッチングができて良かったよ」。これで今季はデーゲームは10試合で7勝0敗。好投した伊藤将、高橋の若手左腕2人に続き、夕暮れの甲子園でお立ち台へ上がった。ベンチへ戻ると、駆けつけたブロンドヘアのメガン夫人からも温かい祝福を受けた。

開幕から6連勝など7月上旬まで負け知らずだったが、9月は2敗と苦しんだ。2回を自己ワースト7失点で3敗目を喫した19日巨人戦の後、フォーム修正に着手。「自分のいつも通り、ベーシックな形に戻したよ」。前回26日巨人戦は見事に修正し、6回1失点で4戦ぶりの勝利をつかんでいた。矢野監督も「ここで2つ勝ってくれたのはすごく大きい。ガンケルで任せられるというチーム内の安心感、そういうのも作ってもらえている」と喜んだ。

秋山と青柳がチームトップ10勝で並び、伊藤将は1日に8勝目を挙げており、夢の「10勝カルテット」も目前だ。阪神では06年の井川、福原、下柳、安藤以来。先発の白星が伸びれば、自然と優勝も近づいてくる。

ガンケル自身はチームの勝利が一番。「個人的な結果よりも1試合1試合の勝利を見据えて、自分の全力を出して頑張っていきたい」。大事な終盤戦で「不敗神話」の助っ人が復活した。【磯綾乃】