阪神の4番大山悠輔内野手が初回に先制適時打を放ち、前日8日の敗戦のショックを吹き払った。制球が定まらず高めに浮き苦しんでいたヤクルト先発高橋を攻め1死一、二塁のチャンスをつくると、背番号3は低めチェンジアップにうまくバットを引っ掛ける技ありの打撃で左前へはじき返した。

「先制のチャンスで、どんな形でも走者をかえしたいと思って打席に入った。間(三遊間)を抜けてくれてよかった」。9月29日広島戦から10試合連続安打となった。この間すべて4番に座り、打線の中心として引っ張っている。

矢野監督も「ここに来て悠輔(大山)もいい安打が多くなってきている。そこ(初回)でまず悠輔がいってくれたっていうのは大きい」と、しびれる優勝争いの10月に復調してきたことを喜ぶ。10月は8試合で打率3割5分5厘、4本塁打、8打点と頼もしい。

残り12試合。まだ首位ヤクルトとの直接対決も3試合を残す。指揮官は「残り試合少ないけど、やっぱりそこ(好機)に回ってくるんで、悠輔が『打って勝たせた』という打点を挙げてもらえたら」と、逆転Vという劇的ドラマの主役になることを期待した。【石橋隆雄】