阪神近本光司外野手(26)が今季58度目のマルチ安打を放ち、03年赤星に並ぶ球団4位に浮上した。

大山欠場の余波で9月3日の巨人戦以来、今季2度目の3番起用。「何番でもやることは変わらないですし、自分のできることは塁に出ること」と、1番と変わらぬ姿勢で打席に立ち、1回の第1打席は菅野から中前安打。3回も中前へ運び、今季24盗塁目の二盗を決めた。

菅野からこの日2安打。今季は10打数5安打の打率5割と得意にしている。「いい投手には変わりないので、追い込まれる前に仕留めていきたい」と、積極打法で攻略する。8回にはこの回から代わったばかりの2番手左腕中川の初球スライダーを左前に運んだ。プロ3年目で自己最多を更新する14度目の猛打賞をマーク。セ・リーグの最多安打を独走する安打数も173本に積み上げた。

打率は3割1分6厘2毛でリーグ2位。首位打者の広島鈴木誠は3割1分9厘。残り9試合で首位打者争いも激しさを増しそうだ。マルチ安打の数で並んだ03年の赤星は大学、社会人と進みプロ3年目で、バットと足でリーグ優勝に貢献したレジェンド。近本もその域に近づき、負けじ劣らずの奮闘ぶりだ。

この日の引き分けでヤクルトのマジックは8となったが、諦めてはいない。「とにかく目の前の試合を勝つために、できることをやっていくしかない。苦しい状況は続きますが、チームに貢献するために明日からも頑張ります」。バットと足で最後まで全力を尽くす。【石橋隆雄】

▼阪神近本が3安打を放ち、今季58回目のマルチ(複数)安打を記録した。阪神の選手でシーズン58回のマルチ安打は、03年の赤星憲広に並ぶ歴代4位タイ。1位は10年マートンの67回、2位は50年藤村富美男、86年バースの59回。セ・リーグ最多は10年青木宣親(ヤクルト)の68回、パ・リーグ最多は94年イチロー(オリックス)の69回。

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