日本ハム伊藤大海投手(24)が1発に沈んだ。西武22回戦(札幌ドーム)の6回、中村に痛恨の決勝2ランを浴びた。7回6安打2失点で9敗目。5度目の挑戦で、またも10勝目には届かなかった。チームは今季17度目の0封負けで、ルーキーを援護出来なかった。

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高々と舞い上がった打球は、無情にも日本ハムファンが詰め掛けた左翼席に着弾した。0-0の6回無死二塁。伊藤が、1発に屈した。中村への3球目、129キロスライダーを捉えられた。「もう少し厳しめに投げないといけなかったボールだった。失投ですね」。決勝2ランを献上し、珍しくマウンドを蹴り上げ、ロジンではなく砂ぼこりを舞い上がらせた。

悲願の10勝目へ、5度目の先発マウンドだった。9月7日楽天戦での勝利を最後に足踏み。この日は7回6安打2失点にまとめたが、痛恨の被弾が響いた。「先制点を与えてしまったのが1番」と悔やんだ。栗山監督は「内容は抜群。点を取ってあげられなくて、本当に申し訳ない」と頭を下げた。

白星から遠ざかっていたこともあり、変化をつけた。7回1死走者なし、戸川への5球目はサイドスローで投じた。前回登板の7日オリックス戦でも、試合中盤に実行。普段はキャッチボールで投げる程度も「いろんなことを試合で出来るのに越したことはない。遊び心じゃないですけど、そういうのも持ってやっていかないとなと思って」。試行錯誤しながら、遠ざかっている勝利を追い求めている。

チームは今季17度目の0封負け。直近3試合で2度目の無得点試合と、貧打の渦中にいる。伊藤は「次の登板をもらえるのであれば、頑張るしかないので。ここまで来たら、思い切ってやりたいなと思います」。試練を乗り越え、節目の勝利をつかみ取る。【田中彩友美】