今季限りで退任する日本ハム栗山英樹監督(60)が本拠地最終戦の26日西武戦(札幌ドーム)で札幌ドームでのラスト采配を振る。12年の監督就任以降、同球場での公式戦は584試合目で、最後の先発はエース上沢直之投手(27)に託した。歓喜も悔しさもたくさん味わった札幌ドームへの感謝を胸に、いつもと変わらず全身全霊で臨む。

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ついに、本拠地として戦ってきた札幌ドームに別れを告げるときが来た。栗山監督にとっては、どんな時でも変わらず、勝利を追求して戦ってきた場所だ。

栗山監督 自分が野球を愛し、勉強してきたものを全てそこで出し尽くそうと思ってやってきた10年間だから。一生、札幌ドームに感謝しているし、自分の野球場といったら、札幌ドームなので。

札幌ドームでの公式戦初采配は就任初年度の12年開幕戦。開幕投手を託した斎藤がプロ初完投勝利で応え、監督としての初勝利を手にした。日本一に輝いた16年はCSファイナル第5戦で3番DHでスタメン起用した大谷を9回に救援起用し、当時の日本最速となる165キロをマークして日本シリーズ進出を決めた。他にも、選手のヒーローインタビューを見つめながら目を潤ませる場面もたくさんあった。

数え切れないほどの思い出が詰まる札幌ドームでの最後の試合の先発は、エース上沢に託した。

栗山監督 もう投げなくてもいいでしょと言ったんだよ。オレ、ナオの体を心配しているから。だけど、ナオはバランスも今いいし、投げたがっていた。投げる順番を見たら、自然に入っていて。どうしても最終戦だから、ナオをそこに持っていこうとしたわけじゃなくて…物語としてそう言うものだと思うし、自然な流れだよね。

栗山監督と“同期入団”でもある上沢も「みんなが笑って終われるような形で、気持ちよく送り出せるような状況にしたい」と、快投を誓った。栗山監督は「オレの個人的なものは、どうでもいい話だから」と話すが、チームにとって特別な本拠地最終戦であることに間違いない。最高の試合で、栗山監督の北海道での最後の雄姿を飾る。【木下大輔】