オリックスが1996年(平8)以来、25年ぶりにパ・リーグの頂点に立った。25日にエース山本が楽天を完封してシーズン最終戦を終え、27日はライバルの2位ロッテの楽天との試合結果を京セラドーム大阪で待った。もう1敗もできない状況にいたロッテが楽天に敗れ、優勝が決まった。

シーズン序盤は借金に苦しんだ。18勝22敗7分けで迎えた交流戦も、最初のカード、5月25~27日のDeNA戦(横浜)は1勝2敗と負け越した。だが次カードの今年のセ・リーグ王者ヤクルト3連戦に2勝1敗と勝ち越し、波に乗った。対阪神、対中日は2勝1敗。対巨人は2勝1分け、広島には3連勝し、10年以来2度目の交流戦王者に輝いた。交流戦明けの6月20日、ついに首位に立った。

すべてが順調に進んだわけではない。山岡、大城らが負傷で戦線離脱。オフに楽天から復帰した助っ人のロメロは、シーズン途中で退団した。夏場に補強したラベロは、左手首を骨折。最終盤の9月には、主砲の吉田正がソフトバンク戦での死球で右手首を骨折した。中嶋監督は、常に打線のやりくりと向き合ってきた。

だが「全員で勝つ!!」のチームスローガン通り、全員で主力選手の不在を埋めた。山本、宮城、田嶋に続くローテーション投手として14年ドラフト1位の山崎福が存在感を見せ、育成枠から支配下に復帰した山崎颯という新戦力も加わった。吉田正に代わる3番は、紅林が務めた。守っても遊撃から二塁に回った安達が内野を引き締め、三塁の宗が日々成長を見せた。

「簡単に負けなくなった。諦めなくなった。連敗をどこでストップさせるかといった時に、非常に大きな連敗というのはあまりなかったのかなというのも、その点で諦めない姿勢というのが出てきたのかなと思う」と中嶋監督。選手の変化をくみ取り、采配をふるった1年。歓喜のゴールが待っていた。