明治神宮大会(11月22日開幕)初出場を狙う仙台大(仙台6大学1位)が東北公益文科大(南東北2位・山形)に快勝し、決勝進出を果たした。「1番二塁」で先発した益子侑也内野手(4年=霞ケ浦)が、3回2死一塁から先制点となる適時三塁打をマーク。さらに中継プレーのミスに乗じて、快足を飛ばして一気に本塁へと生還。リードオフマンとしてチームに勝利の流れを呼び込んだ。富士大(北東北1位・岩手)は5-0で東日本国際大(南東北1位・福島)を下した。

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頼れる男・1番益子が先制機をものにした。3回2死一塁。カウント1-0から真ん中のスライダーをコンパクトに振り抜き、右翼フェンス直撃の適時三塁打。さらに、遊撃手悪送球の間に快足を飛ばして本塁へ。自ら2点をもぎ取った。「先制点がほしかったので『オレが打ってやる』の気持ちで、打席に立った」と有言実行の一打となった。

守備も安定感抜群だ。4点リードの6回1死一塁では二ゴロをすばやく二塁へ送球。二-遊-一の併殺で反撃の芽をつんだ。8回1死一塁でも遊ゴロを遊-二-一。遊撃を守る辻本倫太郎内野手(2年=北海)と息の合ったプレーを連発した。益子は「1個目(のアウト)を大事にしようと話している。(辻本と)呼吸は合っている」。

年長から中学3年までは器械体操で汗を流した。小学6年時には4種目(床、あん馬、跳馬、鉄棒)合計で全国7位入賞。高校からは野球一筋も、マットで養われた体のしなやかさは健在。「ボールに対して100%の力を伝えられる」と言う。164センチと小柄だが、今春リーグ戦ではオリックス1位指名の東北福祉大・椋木蓮投手(4年=高川学園)から本塁打を放つなど、身体能力の高さを発揮している。

今日31日、明治神宮大会の出場権を懸け富士大との「最終決戦」に臨む。「負けたら意味がない。『今日はオレの日だ』と思って、チームを鼓舞しながら戦いたい」。“益子デー”でチームに歓喜をもたらす。【佐藤究】