慶大が今季最終戦で早大に引き分け、通算39度目の優勝を果たした。

慶大の春秋連覇は91年以来30年ぶり。初回に3点を先制されたが、追加点を与えず、粘り腰で追いついた。今季4勝は早大の5勝より少なかった。ポイントによる勝ち点は早大と並ぶが、5引き分けが効き、勝率で上回った。11月20日開幕の明治神宮大会に出場する。6月の全日本大学選手権優勝とあわせ、年間4冠に挑む。

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連覇を決めた瞬間、主将の福井章吾捕手(4年=大阪桐蔭)は「報われた」と安堵(あんど)した。9回2死二塁で早大の代打・小野元を二飛。飛び跳ねるようにマウンドへ駆けた。

勝った方が優勝の大一番でも、負けない強さを発揮した。初回の3失点を「捕手の責任」と背負い込み、2回以降は点を与えない。じわりじわり追い上げを呼んだ。ハイライトは追いついた後の8回だ。2死一、二塁で蛭間。昨秋の早慶戦で2戦連続決勝本塁打、前日も決勝打の“早慶戦男”に対し、カウント1-1から橋本達弥投手(3年=長田)のフォークをそらし、一、三塁とした(記録は暴投)。「下手くそなんで、夏はワンバウンドを止める練習を続けた。点を与えなければいい」と腹をくくった。さらに2球フォークを続け、ともに空を切らせた。「フォークの見逃しを見て『直球を待っている。フォークなら抑えられる』と思いました」。自信を持って切り抜けた。

春の日本一の後、夏はチームでメンタル強化に取り組んだ。少人数のグループで対話を重ね、学年を超えたコミュニケーションを密にした。低迷を乗り越え、19年に日本一となった明大ラグビー部のドキュメンタリーで「日本一にふさわしい寮生活」を学んだ。堀井哲也監督(59)は「心技体は心が土台。そこを見直し、粘り強さがついた」。負けない強さにつながった。

福井は前夜、寝付けなかった。逆転負けした昨秋の早慶戦がフラッシュバックしたが「選手、監督を信じよう」と、本番では不安を封じ込めた。次は明治神宮大会。集大成の日本一をつかみにいく。【古川真弥】