阪神中野拓夢内野手（25）が30盗塁で盗塁王を獲得した。新人の盗塁王はプロ野球史上4人目。球団では01年赤星憲広、19年近本光司に続く3人目の快挙だ。ドラフト6位での入団。「自分が取れるとは想像もしていなかったので、うれしいです」とかみしめた。

開幕14試合目の4月10日DeNA戦（横浜）でプロ初スタメン。一気に遊撃手を奪い、打順も8番から2番に上がった。際立つのが9割3分8厘の盗塁成功率だ。盗塁死はわずか2個。2リーグ制後の盗塁王では、16年山田哲人（ヤクルト＝成功30、失敗2）の最高盗塁成功率9割3分8厘、最少盗塁死2に並んだ。

新人で30盗塁以上をマークした選手は17人いるが、9割超えは中野ひとりだけ。歴代屈指の韋駄天（いだてん）、赤星7割6分5厘（成功39、失敗12）、近本7割6厘（成功36、失敗15）より、1割以上も高い。

「クライマックスシリーズも機会があればどんどん走りたい。相手をかき回せるようにやっていきたい」。今季30盗塁のうち、ヤクルトから5個、巨人からも2個決め、失敗は両球団とも1度もないミスター100％。球団初の下克上日本一へ、快足が流れを変える武器になる。【石橋隆雄】