DeNAからドラフト6位指名された梶原昂希外野手(22)が、土壇場で起死回生の逆転打を放った。

6-7と1点を追う9回2死満塁。1ボールからの直球を左中間へ走者一掃の二塁打。「(球種は直球か変化球か)どっちでしたかね。反射で打ったんで、考えてませんでした。完璧でした。真っすぐですか。打球がそんなに上がらなかったので、逆に上がらなくて良かった」と満面の笑みで答えた。

凡退なら即、大学野球生活が終わっていた。それでも、心には余裕があった。「今日は1打席目から状態は良かった。最終打席は4年生がつないでくれたので『絶対決めよう』と気負わず、気楽に一番楽しめた」。打席に入る前、塁を埋めた走者の表情を見ていた。「4年生がニコニコしたり『うわー』みたいな顔をしていたので、いつもの感じというか、普段と変わらずリラックスできた。体が固まらず、楽しい緊張でした」。大学生活で一番という、理想とする左中間への打球につながった。

DeNA入りとなれば、来年から横浜スタジアムが本拠地となる。「打席で相手ベンチから『ホーム、ホーム』とヤジじゃないけど、言われてたのが聞こえてた。確かにそうだなと。ハマスタは相性がいいというか、いいイメージを持って打席に立てる」。すり鉢状の客席が「注目が集まっているように打席で感じる」。これを重圧でなく「いい気持ちで打席に入れる」とプラスにできる性格だ。ソフトバンク柳田を理想像に挙げる「神奈川のギータ」は、大物の予感を漂わせる。【斎藤直樹】