勝利へのカギは1巡目だ。ロッテが6日、CSファーストステージの楽天第1戦(ZOZOマリン)に挑む。前日5日に報道対応した井口資仁監督(46)は「しっかりとうちらしい野球をして、1点でも多く取って勝てるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

143試合を終え、チーム打率は2割3分9厘だった。大量得点の試合もあったものの、全体的には打線が湿った試合も目立った。

とりわけ、先発投手への対応に苦慮した印象がある。井口監督も「なかなかエンジンのかかりが遅いので」と苦笑い。その一方で「残り20試合くらいの時から、非常にいい入りができるようにチームとしてなってきました」とも話した。

指揮官の言葉は、数字が立証する。143試合を終えての対先発投手の打率は2割4分4厘。それが打者1巡目に限ると、2割2分4厘まで下がる。2巡目、3巡目で攻略の糸口をつかんでいくスタイル。救援陣の安定感もそこに絡み、多くの逆転勝利を積み重ねてきた。

井口監督の言う「残り20試合くらいの時」を、10月のラスト21試合に当てはめる。9月末までの打者1巡目打率は2割1分7厘だった。それが10月に限ると、2割5分9厘にまで一気に上がる。投手陣の低調にマーティンの離脱も重なり、10月は9勝10敗2分けだったものの、先制攻撃の機運は確実に高まっていた。

6日に戦う楽天則本とは10月に2試合戦った。ともに打者1巡目で、9人中3人が出塁している。同じ数だけ三振を奪われているものの、立ち上がりにしっかり振れており、6日の対戦でも期待が高まる。上位に座る中村奨吾内野手(29)は「後攻ですが、守備から守備でしっかり攻めて、次の攻撃もしっかり攻めていけるように」と主導権への道筋を描いた。

一方でロッテ先発の佐々木朗希投手(20)は後半戦6試合に限ると、打者1巡目の被打率は2割1分6厘。各球団のエース格に匹敵する安定感だ。不測の1発を許すこともあり、5日の会見では「初回からしっかりゼロで抑えられるように。ゼロで抑えることに全力を尽くしたいです」とスタートダッシュを誓った。試合開始直後の攻防から目が離せない。【金子真仁】