楽天が、崖っぷちに立たされた。同点の9回、宋家豪投手(29)がロッテ佐藤都にサヨナラ打を許し、CS初戦を落とした。勝ち抜けには、残り2戦を連勝するしかなくなった。

守護神が痛恨の1発を浴びた。1点リードの8回。右太もも痛から復帰した松井裕樹投手(26)が8月20日以来の1軍登板。2死を簡単に奪うも、エチェバリアに146キロ直球を左翼席へ運ばれた。同点弾に口を大きく開け、あぜん。両膝に手をついた。石井一久GM兼監督(48)は「(打線が)強いところに松井を持っていきたかった」と左腕の8回起用の意図を説明。「踏ん張りきれなかったけれど、それはもうしょうがない」と責めなかった。

打線は“令和の怪物”を捉えきれなかった。佐々木朗から4安打も、2回2死二塁で渡辺佳の投ゴロを一塁へ悪送球間の1点のみ。7回には2番手国吉の乱調に乗じ、無死一、二塁と好機をつくるも山崎剛が送りバントを打ち上げ、二走辰己も飛び出し併殺。なおも2死一塁から連続四球で満塁とし、島内が一時逆転の走者一掃打。明日へつながる粘りは見せた。

指揮官は「2つ勝つことがどっちみち当初からの目標。明日から2つ勝てるように頑張ればいい」と淡々とした口調で前を向く。3位からの大逆転日本一をかなえるには、何が何でも勝つしかない。【桑原幹久】

▽楽天宋家豪(9回から登板し佐藤にサヨナラ打を打たれ)「悔しいですが、切り替えて次頑張ります」

▽楽天松井(8回から登板し、エチェバリアに同点被弾。右太もも痛から復帰し8月20日以来の1軍登板も)「どうもこうもないです。結果が出ていないので関係ないです」