虎でもバズれ! 阪神ドラフト3位の新潟医療福祉大・桐敷拓馬投手(22)が19日、新潟市内のホテルで仮契約を結んだ。契約金6000万円、年俸1000万円(金額は推定)。色紙に「開幕一軍」と記した150キロ左腕は「即戦力でチームに貢献したい」と目を輝かせた。

この男、何か持っている。本庄東高3年夏。市川口戦でハプニングに襲われた。1点リードの延長11回2死二塁。投ゴロで試合終了…と思いきや、捕球したボールがグラブに挟まり、取り出せない。桐敷はとっさに、一塁まで10メートル以上の距離をグラブごとラグビーのように下手投げした。

しかし判定はセーフで同点。12回表に勝ち越し事なきを得ると、この仰天プレーの映像がYouTubeで“バズった”。19日現在で1050万再生超え。「見たことあります。正直覚えてなくて、なんで(グラブを)投げたのか…。大学でもずっとイジられてきました」と頭をかいた。

ドラフト指名後の10月16日には、平成国際大戦で関甲新学生リーグ史上初の完全試合を達成し、同リーグ記録を更新する19奪三振。その際もツイッターで「完全試合」が日本のトレンド入りするなど、その名を全国にとどろかせた。

「今は(プロでバズる武器が)思いつかないので、野球のことであったり食事のことであったり、いろんなことで『バズる』っていうんですか…、やっていきたいなと思います」

桐敷は全国におよそ120人とされる珍姓で、ニックネームは「キリ」。強打者たちをキリキリ舞いさせ、プロの世界でも桐敷の名前をバズらせる。【中野椋】

◆桐敷拓馬(きりしき・たくま)1999年(平11)6月20日生まれ。埼玉県鴻巣市出身。屈巣(くす)小1年時に屈巣ニュースターズで野球を始め、川里中では行田リトルシニアでプレー。本庄東では1年夏からベンチ入りし、同年秋からエース。甲子園出場なし。新潟医療福祉大では1年秋にリーグ戦初登板。憧れの投手はソフトバンク前監督の工藤公康氏。178センチ、90キロ。左投げ左打ち。